日蓮宗新聞

2007年3月10日号

モンゴル大統領夫妻が常立寺へ墓参

元寇で無念の死を遂げた蒙古使節団

元寇で無念の死を遂げた蒙古使節団「元使」が眠る藤沢市片瀬の常立寺(永倉嘉文代務住職)に3月1日、モンゴルのナンバリーン・エンフバヤル大統領夫妻が墓参に訪れた。
常立寺境内に並ぶ5つの五輪塔「元使塚」。そのもとに眠っているのは、文永11年(1274)の文永の役後、蒙古から大元国皇帝フビライの国書を携えて来日した5人である。
文永11年10月、蒙古は33000の船で対馬・隠岐を襲い博多湾に上陸。日本軍は敗走し、蒙古軍の船は台風によって難破した。翌年の建治元年(1275)4月、杜世忠、何文著、都魯丁、果、徐賛の5人は、蒙古使節団として長門(山口県)から鎌倉へ。日本国の降服を要求したが、蒙古の再来を恐れていた執権北条時宗の命で9月7日、5人は龍の口刑場(現在の片瀬・腰越付近)で斬首され、無念の死を遂げた。いずれも30代だった。
日蓮聖人が鎌倉幕府によって市中引き回しのうえ龍の口刑場に連行されたのは、この5人の処刑からわずか3年前の文永8年(1271)9月12日である。「科なき蒙古の使の頸を刎られ候ける事こそ不便に候へ」。信者に宛てた手紙の中で日蓮聖人は、罪もない蒙古からの使いの人たちが頸をはねられたことに、哀れみの言葉を遺されている(『蒙古使御書』建治元年9月)。
五人の亡骸は、龍の口刑場で処刑された人々を供養したことに始まった常立寺に埋葬され、これまで常立寺の歴代住職と檀信徒、地元住民が供養を続けてきた。五輪塔の背後には、大正14年、当時の磯野日筵日蓮宗管長を総裁に営んだ「元使650年祭」記念碑がそびえている。

◇   ◇

今回の参拝は、二月二十六日から三月二日まで公式訪問として来日したエンフバヤル大統領の希望によるもの。で、永倉代務住職と中日モンゴル国特命全権大使の間で日程調整が進められた。
三月一日午前八時四十五分、大統領夫妻はじめモンゴルの高僧ハンバラーマ師、駐モンゴル日本大使ら約二十人が、厳重な警備体制の中、常立寺を参拝。
永倉代務住職の案内で元使塚に参り、四十八歳の大統領は若くして国のために亡くなった五人に思いをはせ手を合わせていた。梅の植樹を行った後、読経の響く本堂へ。大統領は、日蓮宗や本堂に祭られている三十番神などについて質問をしながら興味深そうに参拝した。
ひな人形が飾られた客殿で茶菓の接待をした永倉代務住職は、エンフバヤル大統領夫妻に対し「閣下の参拝により七百三十有余年に及び供養をいたし守り続けてきた歴代住職方の元使墓所護持の労苦も報いられたことと存じます。未来永劫に元使の霊を供養し弔い続けるために精進を重ねて参ります」と参拝への感謝の言葉を贈った。
ツォルモン大統領夫人からは元使塚供養のために感謝の布施として八百㌦が供えられた。

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