2007年3月1日号
大本山本圀寺貫首に吉田宏遠師
京都市山科区にある大本山本圀寺の新しい貫首に、吉田宏遠師(兵庫県三田市妙三寺住職)が就任した。
吉田師は、12年にわたり本圀寺総務として久村日鑒貫首とともに本山の護持丹誠に努めてきた。今回の貫首交代は、昨年10月に久村貫首が健康上の理由で「吉田師に後を頼みたい」と辞意を表明、11月の参与会で吉田師の貫首就任が承認された。
2月13日、東京・池上の日蓮宗宗務院で辞令交付式が行われ、小松浄慎宗務総長から貫首辞令を受けた吉田新貫首は「大きな責任を感じております。久村貫首によって寺観一新されました本圀寺を、各聖のご指導を賜りながら一つ一つ担っていきたいと思います」と挨拶した。
また吉田新貫首は、天正9年(1591)に本圀寺に設立された「求法講院」再興の一助となり、多くの宗門要人を輩出してきた本圀寺本来の姿を取り戻したいと抱負を語った。4月3日に晋山式が営まれる。
大光山本圀寺
建長5年(1253)、日蓮聖人が鎌倉の松葉谷に草庵を構えたのが創まり。宗祖ご生涯中の布教伝道の中心となる22年にわたる立正安国の国諫運動を展開された最も大切な根本道場となった。
北条幕府が滅び政治が鎌倉から京都に移っての貞和元年(1345)、天皇の勅諚により京都六条の地に広大な永代寺領を賜り、松葉谷から京都へ国祷護国の大道場として移遷、代々皇室鎮護の祈願所として栄えた。昭和46年(1971)、現在の京都山科区御陵に移転した。