日蓮宗新聞

2007年2月10日号

阪神淡路大震災13回忌大法要

 平成7年1月17日、午前5時46分、一瞬にして多くの尊い命が奪われた。死者6433名、負傷者4万人以上にのぼった阪神淡路大震災。発生から12年目を迎えた1月17日、被災地を管区に抱える兵庫県東部宗務所(清水教信所長)は、命の大切さを伝えようと「伝道大会~みんなのいのり~」として阪神大震災第13回忌大法要を、小松浄慎宗務総長を導師に神戸市の神戸文化ホールで営み、約1400人の市民が追悼の心をこめ、祈りを捧げた。

1月17日午前零時、神戸市東遊園地で管内僧侶が慰霊碑「1・17希望の灯り」周辺で読経を開始。午前4時45分からは管内僧侶に加え、全国日蓮宗青年会と日蓮宗女性教師の会も合流し、読経・追悼式に参列、犠牲被災者へ祈りを捧げた。
午前8時半、東遊園地に全日青を中心とした青年僧約80人の行脚隊が集合し、2コースに分かれ出発。小雨の中、若い僧侶たちの力強いお題目の声と団扇太鼓の音が神戸の街中に轟いた。また日蓮宗女性教師の会の15人は、午前9時から約2時間半かけて長田地区で精力的に行脚を行った。行脚と同時に午前9時からは東遊園地~三宮駅間で布教師会・社会教化事業協会による街頭布教とチラシ配布を行うなど、伝道大会に向け意識を高揚していった。
午後零時半、池田博英実行副委員長による開式宣言の後、「1・17希望の灯り」から採火された灯りを清水所長が御宝前へ献灯。清水所長が「今こそ法華経の精神を広く世界に伝える時」と挨拶し、小松宗務総長を導師に阪神大震災13回忌大法要が営まれた。
厳粛な雰囲気の中、読経が響き渡り、清水所長が表白文を読み上げ、被災者へ一意専心の祈りを捧げ、僧侶檀信徒共に「立正安国・お題目結縁運動」に精励し、法華経とお題目の心を伝え世界平和を実現することを誓った。
続いて修法師18人による大衆法楽が行われた。唱題後、小松宗務総長が回向文を読み上げると、会場は祈りの心に包まれていた。
法要終了後には宗門を代表して張田珠張日蓮宗宗務院総務局長が挨拶し、災害復興への尽力に感謝し、被災者の方々が安心した生活を取り戻すことが出来るよう祈念。また環境破壊が自然災害を加速させることに触れ「今こそ“生命ある地球の尊厳”を再確認し、生命の尊厳、人心の安寧、世界の平和のために邁進するとき。私たち生きとし生けるものは自然により様々な恩恵を受けていることを認識し、恩に報いるべき」と述べ、参加者に“環境・平和・いのち”の誓いと祈りを込めると共に、被災者の霊位に追善の誠を捧げた。
清興では歌手のペギー葉山氏が自身の夫を自宅で介護した体験を基に、介護問題について講演。また新聞詠み河内音頭家元の河内家菊水丸氏によって、心地よい太鼓の音色とともに楽しく河内音頭が歌われ会場は大いに盛り上がった。
最後に京都市本山本法寺の大塚日行貫首による御親教があり、参加者全員による唱題行が行われ、会場全体に平和への祈りが響き渡った。

◇   ◇   ◇

「供養の心は平和の祈り。平和は願うだけでは叶えられません。皆さんの参加が大きな力となります」
兵庫県東部宗務所では阪神大震災という大きな天災、人災で奪われた命に対し、供養を捧げるべく、清水所長、清水能隆伝道大会実行委員長を中心に伝道センター会議、実行委員会、法要リハーサルを重ね、全国への参加を呼びかけてきた。
布教師会・社教会では事前活動として管内僧侶による慰霊行脚を3回にわたり各地区で実施。1回目は昨年11月17日、妙興寺から伊丹・宝塚・西宮地区、2回目は12月15日、醍醐寺から芦屋・東灘・灘地区、3回目は妙行寺から兵庫・長田地区を行脚した。各所の慰霊碑を参拝し、駅前等では街頭布教も行い、一般市民の方にも大会開催への賛同を呼びかけた。
宗務所ではよりよい大会を目指し企画を立ち上げると共に、檀信徒協議会実行委員会を発足するなど、僧侶檀信徒一丸となって大会への準備を進め、本番に臨んだ。

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