2007年1月1日号
国際永久祈念平和祭典06
戦争犠牲者を追悼し人類の恒久平和を祈る
戦争犠牲者を慰霊し人類の恒久平和を祈るため、市民に開かれた運動として今年で26回目を迎える国際永久祈念平和祭典06が昨年11月30日、大阪市のNHK大阪ホールで開催され市民ら1400人が参加した。
祭典に先立ち、諸宗教者代表者会議が行われ、各宗派の代表者約20人が出席。同祭典協議会専務理事の竹内日祥師は議案の中で「各宗教間で対話を行い、共通課題を見つけ、価値観と立場の違いを認め合って平和を求めていかなければ社会から宗教は認知されない」と宗教間対話の必要性を話し、各宗派の人材を育てる学習会の開催推進を呼びかけた。
午後4時からの祭典では、始めに「現代社会が喪った尊厳回復のための対話」をテーマにシンポジウムが行われた。竹内師がコーディネーターを務め、バチカン諸宗教対話評議会副議長のフェリックス・マチャード司教と法相宗大本山薬師寺管主の安田暎胤師をパネリストに宗教間対話や絆の問題について話を進めていった。
マチャード氏は、平和を構築するためにはすべての人間が協力していく必要があり、異なった宗教の人々が手を取りあい、団結していくことが重要とし、「宗教の伝統、教義、文化による対立がしばしば挙げられるが、それは受けとめる側に問題があり、信仰する神や仏に問題があるのではない。信頼関係を築くためにも、他の宗教を互いに学び、対話をしていくべき」と宗教間対話の必要性を訴えた。
安田師は「最近の携帯電話の普及は相手とつながっているという安心感、絆を求めているから。しかし顔をみながら話をしたり、スキンシップこそが最高の愛・絆である」と、便利さの追求により人間のぬくもりを失ってしまうのではと問題を提起し、人間関係が稀薄になりつつある社会に対し危惧を示した。また私たちがもつべき五つの心(①感謝の心②思いやりの心③人を敬う心④許す心⑤懺悔する心)をあげ、日常生活の中で実践することが大切と話を結んだ。
第二部の宗教芸術祭典は奈良六大寺(興福寺・西大寺・唐招提寺・東大寺・法隆寺・薬師寺)からなる南都隣山会協力のもと行われた。はじめに隣山会を代表し聖徳宗総本山法隆寺管長大野玄妙師が挨拶、続いて華厳宗東大寺の僧侶が出仕し森本公誠別当を導師に唄匿(声明)を披露。またフルート、チェロ、ハープの西洋音楽と融合させ幽玄な空間を作りあげた。
最後に各宗各教団の代表者が登壇し、法相宗管長大本山興福寺貫首の多川俊映師が共同宣言を読み上げ、社会で失われつつある「対話」の大切さを呼びかけた。