2006年11月20日号
大本山中山法華経寺 聖教殿のお風入れ
千葉県市川市の大本山中山法華経寺(新井日湛貫首)で、聖教殿のお風入れが11月3日に行われ、約1100人の参拝者が貴重な日蓮聖人のご真蹟を拝観した。
中山法華経寺の聖教殿には、『立正安国論』や『観心本尊抄』(共に国宝)をはじめとする多くの聖教が厳重に格護されており、毎年11月3日の文化の日にお風入れをし、同時に一般参拝者への展観も行っている。
爽やかな秋晴れとなったこの日、午前10時に開扉された聖教殿の中では、新井貫首をはじめ中尾堯立正大学名誉教授や宗務院関係者などによって法要とご真蹟の確認が行われ、聖教殿前の広場には展観を待つ多くの人々が早くから列をなしていた。
展観が始まると、中尾教授や寺尾英智身延山大学教授・安中尚史立正大学助教授が参拝者の列の前で解説し、中尾教授は「聖教の紙面に躍動する雄渾な筆致に、日蓮聖人の法華経信仰の深い確信と激しい情熱を十分に感じ取ってください」と語りかけていた。
今年は参拝者の数が昨年を大きく上回り、特にハワイからの信徒団17人や立正大学同窓会千葉支部64人など団体での参拝が目立った。
ハワイ信徒団を引率する小川如洋ハワイ開教区長は「千載一遇の機会に来ることができて、信徒一同大変喜んでいる」と語り、立正大学同窓会千葉支部の尾崎敏明氏は「お風入れを拝観する企画は初めてだが、多くの申込があり大好評だった」と感想を述べていた。 参拝者からは、「『立正安国論』の堂々とした迫力に目が覚める思い」といった声が口々に聞かれ、ご真蹟を間近に拝した感動を顕わにしていた。