2006年10月1日号
「聞香安居」の集い
お香への理解を深め三宝給仕の基本を学ぶ弊社主催の文化講座「聞香安居」の集いが、9月12日に東京大田区の大本山池上本門寺(酒井日慈貫首)を会場に開催され、全国から集まった20人の参加者が古式ゆかしき風雅の世界を体感した。
香道を身近に楽しむことのできる「聞香安居」の集いは今年で3回目を数え、この集いをきっかけにお香のすばらしさを知ったというリピーター参加者も多い。
会に先立ち本門寺大堂で法味言上が行われ、伊東正光日蓮宗新聞社社長が挨拶。伊東社長は、『法華経』の法師品第十に説かれる仏への「十種供養」を引用し、その中でも香が重要な役割を持っていることを述べた。
続いて長栄の間で御家流第23代宗家の三條西堯水師が、仏教と縁の深いお香の歴史について約1時間の講義を行った後、松涛の間に場所を移して香席が開かれた。
香席は三條西宗家指導のもと進められ、参加者は真剣な面持ちでそれぞれの香を聞いた。三條西宗家は時々ユーモアを交えて場を和らげ、「香の種類を言い当てることよりも、香り自体を楽しむことを重視してほしい」と繰り返し話していた。
良い香りが松涛の間を包み込み、「香満ちました」という香元の声で香席が終了。
最後に、「聞香安居」の集い第1回目から参加している早水日秀池上本門寺執事長が挨拶に立ち、「お香は信心の使いといわれる大切なものです。あざとき(浅はかで押しが強くやり方があくどいこと)ものがはびこる現代社会の中で、私たちはもっと香りに対し敏感になって、さやけき(はっきりと明るく清らかなこと)暮らしを心掛けたいものです」と締めくくり、全日程を終了した。