2006年10月1日号
藤井日光法主猊下がご遷化
日蓮宗総本山身延山久遠寺前法主(第91世)で日蓮宗前管長(第49代、第50代)の藤井日光猊下が9月21日午前7時20分、ご遷化された。98歳だった。法号は妙道院日光上人。23日午後6時から久遠寺で仮通夜、24日午前11時から密葬儀が営まれ、遺徳を偲び全国から多数の参列者が訪れた。
藤井猊下は平成11年から本年までの7年間にわたり身延山久遠寺法主を務められ、日蓮聖人立教開宗750年慶讃にあたっては国内外を盛んにご巡錫されるなど宗風宣揚にご尽力された。
全日仏の会長も
藤井日光猊下は明治42年山梨県生まれ。師父は身延山第86世法主藤井日静上人。大正11年に得度され、昭和12年に立正大学仏教学科を卒業。
昭和17年京都市満願寺、昭和34年東京都身延別院、昭和48年石川県本山妙成寺の住職に就任され、宗門においては昭和40年から新聞部長、伝道部長、各種委員など数々の要職を歴任された。
祖山においては平成2年から総務として岩間日勇法主(当時)を補佐され、祖師堂改修等の大事業を完遂。平成11年3月に身延山久遠寺第91世法主に就任し祖廟格護の法燈を継承された。
時期を同じくして第49代日蓮宗管長に就任され、日蓮聖人立教開宗750年慶讃にあたっては全国六教区の教区大会を巡錫。平成14年4月のご正当には大本山清澄寺における立教開宗750年慶讃大法要、平成15年4月には身延結願大法要の大導師を務められた。
藤井猊下は海外布教への志が強く、日蓮宗アジア仏教振興会会長・世界仏教徒協議会会長として海外に向けた諸事業にも尽力。平成12年にはドイツハノーバーにおける国際永久平和祈念祭典ならびにドイツ大聖恩寺開山法要、平成15年にはハワイ開教100周年慶讃大法要の大導師を務められるなど海外へも盛んにご巡錫され、自ら四海帰妙の先頭に立たれて宗風宣揚にご尽力された。
なお、平成15年に第50代日蓮宗管長に再任され、翌年には全日本仏教会第26期会長に就任している。
藤井猊下は、平成16年1月に身延山五重塔建立の誓願を立てられ、平成20年の完成に向けて心力を注がれていたが、体調の悪化により本年7月1日に法主職の引退を表明し療養されていた。