日蓮宗新聞
2006年4月1日号
身延山に五重塔復元 地鎮式
日蓮宗総本山身延山久遠寺(藤井日光法主)では五重塔建立計画が進められているが、3月17日、建立地の地鎮式が盛大に行われ、約100人の僧侶による力強い読経が祖山に響き渡った。
地鎮式は、早春の晴れ渡った青空の下、午前11時から久遠寺大本堂前の五重塔建立地に設置された巨大特設テントの中で執り行われ、多くの工事関係者や檀信徒が参列。藤井法主御名代の井上瑞雄身延山久遠寺総務を大導師として、佐野前暁加行所伝師を修法導師に、山静教区の修法師を中心とした総勢百人におよぶ僧侶が出仕した。
大迫力の読経と修法の声は、これから五重塔がそびえ立つ場所の地中深くまで染み込み、久遠寺の大伽藍を貫くほどに響き渡った。
式の途中には、工事を行う工匠たちによる「手斧初めの儀」が古式に則って執り行われ、式場に運び込まれた大きな用材に定規や墨差などが重々しく当てられた。
その後、身延山五重塔建立奉賛会実行委員長の井上総務が挨拶に立ち、「身延山史上で約130年ぶりとなる五重塔建立に向け、今日は輝かしい1ページを刻むこととなりました。五重塔は身延山からお題目の輪を全世界に発信するシンボルであると確信しています。平成20年秋の竣工に向けて努力して参ります」と述べた。
式終了後、身延山大学講堂で開かれた祝宴では、藤井法主からの挨拶文が井上総務により代読され、「五重塔建立実現の一歩をしるす地鎮式が盛大に奉行される喜びは、何にもたとえようのない感激の一語であります。老衲、病床にある身といえども皆さまと喜びを共にし、感謝のお題目をお唱えします。南無妙法蓮華経」という感激のお言葉が会場に届けられた。
続いて、堀内光雄奉賛会会長が挨拶し、堀龍雄奉賛会相談役(本山妙純寺貫首)・伊丹栄彰実行委員会副委員長(本山本満寺貫首)から祝辞が述べられ、最後に本山藻原寺の持田日勇貫首が乾杯の音頭を取り、今後の工事の無事を一同で祈念した。