2006年4月10日号
日蓮宗信行道場 建物改修工事が完了
僧侶となるための修練を積む道場である「日蓮宗信行道場」の建物改修工事が完了し、3月28日、総本山身延山久遠寺(山梨県南巨摩郡、藤井日光法主)山内にある信行道場で「竣工式」が営まれた。
70年の月日を経た道場は老朽化が進み、今回の改修工事では外壁・内装にわたり大規模な整備が施された。また、防火トータル管理システムの導入や洗濯室、カビ防止の除湿器など新たな設備が加えられ、僧侶育成に一層の充実が図られることとなった。
今月15日には56人の道場生を迎え、今年度第一期の信行道場がスタートする。
信行道場は、僧侶を志す者が出家し教学の基礎を学んだ後、人々を教え導く「教師」になるための修練の“関門”。入場生は、35日間にわたり給仕を第一に修行・学問に励み、生涯の使命を自覚する。
昭和12年の道場開設後、昭和47年に増改築した現在の建物は、雨漏り・床下の腐食など損傷が激しく、改修が急務とされていた。
工事は、本堂・道場生収容施設・事務所全体に行われ、本堂は主に、屋根瓦と天井を張り替え、木材に薬品を用いてクリーニング、外壁・内壁のふきつけがなされた。収容施設では、水行場を整備し、上下水道・風呂・洗面所など水回りの近代化、畳の食堂は研修もできるよう約10畳広げ床ばりに。また、洗濯室、乾燥室、各室と廊下に除湿器が設置された。事務所には、建物各所に設置した消火栓、火災報知器を管理する設備を導入。当直用の台所、洗面所も整えられた。建物全体の照明を明るくするなど、内装は新築に近い状態まで一新された。
竣工式は、井上瑞雄身延山久遠寺総務を導師に、渡辺照敏日蓮宗宗務院教務部長、齋藤邦昭久遠寺庶務部長、奥野本洋久遠寺布教部長をはじめ工事に携った関係業者が参列して営まれた。
道場前庭に設置されたご宝前で読経し、工事に携った5社に感謝状が贈呈された。挨拶に立った渡辺教務部長は「かねてより老朽化が進み心を痛めておりましたが、業者の方々の技術で素晴らしい改修工事がなされました。4月15日には信行道場が開始されますが、道場生が厳しい修行の中にも、安心して修行に専心できる環境が整ったと思います」と、生まれ変わった道場への喜びを語った。
