2006年3月20日号
大本山池上本門寺に星弘道師が扁額を献納
今年初め日本書道界の最高峰「現代書道二十人展」(朝日新聞社主催)に選出された星弘道師(東京都戒行寺住職)が3月6日、東京・大田区の大本山池上本門寺(酒井日慈貫首)に『秘要之蔵』の四文字を認めた扁額を献納した。
星師は1月31日、「法華経の真髄を現わした経文を祖山に」と総本山身延山久遠寺(藤井日光法主)に扁額「皆是佛」を献納、作品は法喜堂玄関に掲げられている。
今回、池上本門寺に献納した作品は幅4m、高さ1m20cmに及ぶ大作。「秘要之蔵」とは、法華経如来神力品の一節で、お釈迦さまご自身が亡くなった後の法華経の布教を菩薩たちに託す、法華経の中でも重要な部分。お釈迦さまは、法華経には「あらゆる法」「仏さまの神力」「さまざまな大事なものが収まる蔵(秘要之蔵」「深い心」、四つの事柄すべてが顕されているとして計り知れない法華経の功徳を説き、「私がいなくなった後も、一心に受けたもち、読・読し、説いて、書写し、教えの通りに修行に励みなさい」と教え説かれた。
星師は「日蓮聖人を通し代々脈々と受け継がれてきた法華経の世界を表しました。我々凡夫一人一人が教えを伝えていく努力をしていきたい」とこの四文字を揮毫し、日蓮聖人がご入滅になった地に献納したという。
3月6日、星師は、共に書を学んできた千葉県本山弘法寺の石野日英貫首や、星師が主宰する日蓮宗仏教書道研究会の矢嶋泰淳師(新宿区幸國寺住職)らと池上本門寺を訪れ、大堂で献納式を行った。
酒井貫首との歓談の中で星師は、20歳で戒行寺の住職となり「下手な字を書いていては申し訳ない」と苦手だった書道を始めたことや、作品が仕上がるまでに、気候や湿度による紙質、墨、筆の具合、体調や精神状態などさまざまな条件が必要なことなどを語った。同行した仲間は、星師が人の何倍も練習を重ね、いつも風呂敷包みをかついで先生に見てもらっていたことなどを振り返り、星師の活躍を讃えていた。
献納された扁額は、池上本門寺の大玄関ロビーに掲げられている。