2006年3月1日号
日蓮宗加行所成満会 大本山中山法華経寺
凛とした空気、澄み渡った青空の広がった2月10日、千葉県市川市の大本山中山法華経寺で寒壱百日の苦修錬行を積んだ僧侶たちが成満を迎えた。全国各地から出迎えの檀信徒が見守る中、修行を終えた148師は結界の中で体得した修法道を携え、お題目布教に向けて新たな一歩を踏み出した。
氷点下まで冷え込んだ午前6時、太鼓の音が響き渡る中、瑞門が開き、加行僧が姿を現わした。瑞門を出た行僧の中には涙を流す姿も見られ、出行を待ちかねていた檀信徒からは僧侶の名前や「お帰りなさい」との声がかけられ、拍手や歓声が沸き上がった。行僧各師の名前が染め抜かれた成満旗がズラリと立ちならぶ中、一行はお題目を高らかに唱え行列。その姿に檀信徒の顔は安堵と喜びに溢れていた。
成満会は午前8時、祖師堂で営まれ、加行僧の力強い読経と見守る檀信徒の思いが堂内を埋め尽くした。
法要中、伝主の新井日湛貫首が許証を、佐野前暁伝師が感賞状を授与し、小松浄慎宗務総長が修法師辞令交付を行った。
小松総長は加行僧を労うと共に「修法布教の先陣に立ち、檀信徒未信徒教化、さらには立正安国お題目結縁運動の推進力となって、護法伝道の原動力となるべく、皆帰妙法立正安国仏国土顕現の大願成就に向け、力強い活躍をされることを願います」と挨拶。
また、新井貫首、佐野伝師、千葉北部の赤羽浩教宗務所長、全国修法師会連合会会長の工藤堯幸師が祝辞を行い、労いの言葉をかけた。
最後に全堂代表の若松宏泉師が「大勢の方からお力添えを頂き、無漏相承修法奥義の伝授を受けることが出来ました。その恩に報いて、立正安国の祖願達成、修得した修法道をもって世界の平和、社会の人々に尽くし、仏祖の四恩に感謝していくことを誓います」と謝辞を述べると、堂内は温かい拍手に包まれた。
成満会終了後、荒行堂前では多くの檀信徒が出迎えた。許証を手にし出てきた行僧は、足早に家族や檀信徒にもとへ。「お疲れさま」と目を潤ます檀信徒や、100日ぶりに子どもを抱く行僧の姿が見られ、境内は多くの笑顔が溢れていた。