日蓮宗新聞

2005年10月1日号

ご真蹟70点余、25年ぶり調査

千葉県市川市の大本山中山法華経寺(新井日湛貫首)に伝わる日蓮聖人のご真蹟70点以上のすべてが約25年ぶりに調査され、過去に行われた修理の経過が良好であることが中尾堯立正大学名誉教授ら調査チームによって確認された。

今回の調査は8月30日から9月2日まで、『立正安国論』や『観心本尊抄』(ともに国宝)をはじめとする数多くのご真蹟を厳重に所蔵する法華経寺の「聖教殿」で行われた。聖教殿の扉が、お風入れ以外の日に開くのは極めてめずらしい。
調査の主な目的は、法華経寺が昭和55年に日蓮聖人七百遠忌記念事業の一環として行ったご真蹟修理のその後の状態を見ることで、25年の歳月を経て、のり付けや装丁などに変化はないか一点一点を丁寧に確認した。
その結果、修理後の経過はとても良く、適切な状態で保存されていることがわかった。ただし、昭和55年当時に完全な修理が施されなかったご真蹟には予想通り痛みが見られ、今後の修理の必要性が確認された。
そういった意味でも、ご真蹟の修理は将来的な保存の上で非常に重要な意味を持つことが今回の調査で改めて実証されたことになる。
また、法華経寺に伝来する70点以上のご真蹟を間近に拝しての調査となった今回、写真などでは判別するのが難しい紙質や筆質、微細な糸通しの穴や紙の継ぎ目などを確認することができ、こういった貴重な情報もすべて記録された。これらは今後の研究に大いに役立たれる。
法華経寺の新井貫首は「平成15年の貫首晋山以来、初めての本格的な調査となりましたが、25年前の修理が確実に成果を出していることに安心致しました」と述べ、調査に加わった渡邉宝陽立正大学名誉教授は「声も出ないほど感激致しました。ご真蹟は日蓮聖人と私たちを結ぶ門下全体の象徴であり、護持の大切さを強く感じます」と語った。
調査を終えた中尾教授は「700年以上の時を経た今、ご真蹟の一つ一つが相続されていることに代々先師の真摯な姿勢を感じます。ご真蹟には日蓮聖人がその時使われた筆の状態まで見て取れ、『転重軽受法門』と『寺泊御書』の割れた筆致からは、佐渡に渡られる直前の困難な状況が伝わってきます。そこには、聖人の情熱と信仰のお姿、闊達さと行動の自由さが感じられるのです」と振り返った。

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