2005年4月1日号
第26回全国宗教者東京大会
藤井日光日蓮宗管長が最高顧問を務める世界連邦日本宗教委員会主催の「第26回全国宗教者東京大会」が、3月9日・10日の2日間、東京大田区の大本山池上本門寺(酒井日慈貫首)を会場に開催され、日本国内の宗教者約300人が参加した。
今大会の総合テーマは「人類に平和を─日本宗教者の祈りと使命─」。9日には世界平和祈願万国万霊法要が本門寺本殿で営まれ、各宗派の代表が「祈りの言葉」を共に奉唱した。
翌10日は講演とパネルディスカッションが行われた。講演は、広島修道大学教授の城忠彰氏が「世界連邦のロードマップをどう描くか」と題して、現在の国際情勢と世界連邦創設に向けた道筋を提示。
城氏は、自国の利益だけを守る安全保障ではなく、EU(欧州連合)のような地域共同体の世界版が世界連邦のモデルだとし、「国境とは本来、人間が引いた線にすぎず、人の手でより良い形に戻すことはできる。特に宗教はその役割を担えるはずだ」と述べた。
続くパネルディスカッションでは、6人の各宗教の代表者が「世界平和への道筋」について意見を述べ合った。
日蓮宗からは、石井英雄師(日蓮宗国際開教対策委員長・東京長照寺住職)が登壇。石井師は宗教者同士の国際平和活動について、対話を大切にしながら、できることからひとつづつ進めていきたいと述べた。
討論のまとめとして、神道の薗田稔氏(京都大学名誉教授・秩父神社宮司)から「宗教の立場から命の捉え方を見直し、命の尊厳を訴えていくべきで、そのためにはお互いを知ることが第一」という提示がなされた。
最後に大会長の酒井本門寺貫首が「各宗の代表をお迎えできて光栄です。平和な家庭づくりからはじめて、平和な国と世界を築いていきましょう」と述べ、2日間の大会を終了した。
【世界連邦日本宗教委員会】
各国が世界連邦政府というひとつの秩序の下で、平和と人権を守っていくことを目指す世界連邦運動(1947年発足。本部ニューヨーク)に呼応し、昭和42年に日本国内の超宗派の組織として創立された。
第1回の全国宗教者大会は昭和44年に身延山で開催され、当時の藤井日静法主(身延山第86世)が「宗教者が宗教の垣根をこえて結集し、人類が生きるための大道を開かねばならない」とする『身延宣言』を全世界に向けて発信した。
現在、国内各地で「世界連邦平和促進宗教者大会」を開催すると共に、国際交流に尽力している。