日蓮宗新聞

2004年2月1日号

市民追悼式「声明と琵琶のしらべ」

平成16年1月17日は阪神・淡路大震災から9年目の日。6433人の尊い命が奪われ、現在も、復興住宅の家賃が払えずに強制退去を余儀なくされる世帯は360余、震災に関連した自殺や孤独死は250人余を数えるといわれる(いずれも平成14年度までの統計)。街に目を向ければ、復興の影には、公営住宅に入居できない人々や空き店の増える商店街、長引く不況など市民の受けた傷は、今もなお、大きく深く残っている。
歳月は流れても被災者の思いは流れ去ることはなく、震災の犠牲を絶対に風化させてはならないという思いを込め、市民追悼式「声明と琵琶のしらべ─すべての震災犠牲者にささげる─」が1月17日に神戸市勤労会館で開催され、遺族、被災者ら約250人が参加した。

追悼式の運営は寺院を拠点に被災地支援を続けているNPOボランティアネットワーク“Earth”(アース=理事長・石原顕正山梨県立本寺住職)と社会団体「阪神淡路大震災被害者ネットワーク」。
追悼式に先立ち、大震災発生の5時46分に合わせて神戸市中央区の諏訪山公演で早朝追悼集会が行われ、前日に山梨からバスで神戸入りしていたEarth関係者18人と有志僧侶が、集まった市民と共に雪の降る中、献花と黙祷をすべての犠牲者に捧げた。
追悼式は午前10時に開会。震災で娘を亡くした広瀬百合子さんが参列者を代表して“遺族の想い”を語り、会場からは啜り泣きの声が漏れた。続いて、追悼式実行委員会の安田秋成委員長が追悼の辞を述べ、被災者で詩人の玉川ゆかさんが追悼の詩を朗読。
11時からの法要は石原理事長を導師に、全国から参集した12人の有志僧侶が出仕。声明と読経に合わせて神戸市在住の女性琵琶奏者、川村旭芳さんによる琵琶の音色が会場を包み込み、この日のために川村さんが作曲し、母の素子さんが作詞した一曲も捧げられた。続く唱題では、参列者の大半が宗旨の異なる中で皆一同に合掌してお題目を唱え、一心に祈りを捧げる光景も。法要終了後、Earthが全国から募った支援米によるおにぎりと温かい味噌汁が参列者に提供され、「お元気で来年も会いましょう」と再会を約束し追悼式を終了した。
石原理事長は「9年間にわたる神戸・山梨500kmの道程を超えた尊いご縁に感謝します。震災後、未だ犠牲が増え続けている現状を風化させないためにも、元被災者との歩みは当分終わらないでしょう」と語っている。

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