日蓮宗新聞

2003年12月1日号

子ども達と同じ目線で一緒に未来を築く姿勢が大切

「お寺離れ」「信仰継承の難しさ」が叫ばれる現代、日蓮宗では布教方針「次世代へのアプローチ」のもと“子ども達をどのようにしてお寺に集め接していくか”をテーマとした平成15年度青少年教化指導者講習会が11月18、19日、東京・池上の宗務院で開催された。全国の青年会員や青少年教化に関心のある僧侶約60人が参加。今年度は“青少年教化は既成教団全体の問題”として他宗派の僧侶3人を招き、講演を行った。
開会式では岩間湛正宗務総長が「かつて寺院は、寺子屋、子供会の場として機能し、自然に信仰心が身についていた。子どもたちの寺離れが進んでいるが、お寺があるべき姿を取り戻せるよう学んで下さい」と挨拶。講習会に入り、他宗派の僧侶が講演を行った。
真言宗智山派の佐藤雅晴氏はオウム真理教(現アレフ)の事件以降、青少年教化の重要性を感じ、自坊で子供会活動を続けている。朝のお勤めやレクリエーションを通して、お寺を中心に宗教的情操教育を行うことが大切だと説明した。
続いて浄土宗僧侶、大河内秀人氏が講演。大河内氏は財団法人全国青少年教化協議会を退職後、子どもの権利条約が生きる地域を目指す「江戸川子どもおんぶず(江戸川子ども権利センター)」の共同代表他、さまざまなボランティアや市民活動に携わっている。その経験を通して青少年教化について考えた結論として「教義をふりかざして子どもに教える時代ではない」「今の人は“お説教”ではなく、社会の中に関わって実際に何かに取り組んでいる人の話を必要としている」「“教化”ではなく、いかに私たちが社会に関わって、その中で子ども達を“教化対象者”としてではなく、人間として同じ目線で一緒に未来に向かって築いていこうという姿勢が大事」と述べた。
また、地域社会と密着した寺院を目指す大河内氏は、自坊の屋根に太陽光熱で電気を作る装置を置き、電気を町に還元している例を紹介した。
同様に浄土宗の中村勝胤氏は、仏教行事を生かした教化活動、お正月の子ども寒行から始まり、子ども文庫の開設、土曜学校で行っているレクリエーションの一端を披露した。
2日目は3講師を交え、伝道推進委員の北山孝治師(岡山県妙楽寺住職)をコーディネーターに、大西秀樹師(京都府松林院住職)、中山観能師(石川県宝泉寺住職)、伝道企画委員の古河良晧師(東京都常圓寺住職)が加わりパネルディスカッションを行った。パネラーの席を囲むように参加者が座り、全員参加型の討論形式で進行。混迷する社会にあってそれぞれの宗派の特質を生かし、地域社会での仏教寺院が青少年の宗教情操教育を担う役割の大きさを改めて実感した。
閉会式で田端義宏伝道部長は「青少年教化はすぐに成果は見えません。30年後を考えて腰を据えてゆっくり取り組んで頂きたい。地元へ帰って、“三人から始める青少年教化運動”にこの講習を生かして頂きたい」と語った。

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