日蓮宗新聞

2003年9月1日号

台風10号 北海道のお盆を直撃

8月9日から10日にかけて台風10号が通過した北海道では、十勝、日高地方を中心に豪雨に見舞われ、増水した川によって道路が寸断、また車や住宅が流されたり、牧草、農業地帯に泥水が広がるなどの被害が相次ぎ、北海道全域で死者・行方不明が11人となっている。厚別川が氾濫し、死者・行方不明者を出した門別町、新冠町を管轄する西部宗務所(小友寛光所長)は12日、被害状況の現地調査を行った。
沙流川流域の紫雲古津地区にある沙流郡平取町の照恵寺(品田祥皓住職)では、沙流川の水位があがり幹線の用水路に水が流れ込んだため周囲が水に浸かり、一時、品田住職一家5人(妻かをりさん、次男裕康さん、長女貴美さん、次女琴美さん)が取り残される事態となった。
品田住職の話によると、10日の午前2時頃に避難勧告が出てから、1時間足らずの間に庫裡と会館が床上浸水。目に見えてどんどん水位が上がっていくのがわかったという。深いところでは、大人の腰の高さまで浸水。午前3時ごろには停電が起きた。すでに外に出られる状況ではなかったため、一家は家族が離れないようにしながら棟続きの一段高い場所にある本堂に移動し、救助を待った。
まさに“湖に浮かぶ本堂”で自衛隊員らも近づけない状態の中、カナディアン・カヌー(全長5.6メートル)で救出に向かったのは、近所に住む津川司さんだった。カヌーの愛好家の津川さんは、はじめに品川住職の長女と次女を乗せ陸地へ。その後も、妻と次男、最後に品川住職と陸地を三往復し、一家を無事救出した。
救助されたあと品田住職は一旦避難所へと向かったが、本堂の状況が心配で、再びお寺の方へと戻った。幸い被害に遭わなかった古い本堂で、様子を見守り、水の引くのを待った。
心配した本堂への浸水は免れたが、被害にあった庫裏と会館は今年の春に完成したばかり。11月15日に本堂と共に落慶式を行なう予定だった。庫裏と会館は2階建てで、一家は現在、2階部分で生活し、後片付けと法務に追われている。1階部分は水が引いた後も泥が残り、カーペットや家財道具などをすべて撤去。掃除を行なった今でも泥臭いにおいがするという。
お盆の棚経は品田住職と息子2人でまわり、被害にあった10日だけ休み、台風の水害にも負けず翌日から再開。近所の人々や檀信徒約40人が片づけを手伝い、品田住職が法務を行えるよう支援した。16日には被害を免れた本堂で施餓鬼法要を行い、約120人の檀信徒とともに、今回の水害での被災者の冥福と一刻も早い被害の復興を願った。
品田住職によると、11月の落慶式は延期の予定で、会館と庫裡の復興にもまだ時間がかかるとのこと。
宗務所管内では照恵寺の他にも、静内町法隆寺(野中栄修住職)、三石町北門寺(飯田法寿住職)が雨漏りなどの被害にあった。
また川の氾濫によって道路が寸断されるなどの被害があった上士幌町を管区にもつ北海道東部宗務所(内山智洋住職)では、今回の台風による寺院への被害はなかった。

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