日蓮宗新聞

2003年8月20日号

「伝えよう みほとけの心を園から家庭に」

「伝えよう みほとけの心を園から家庭に」をテーマに第49回日蓮宗保育研修盛岡大会(日蓮宗保育連盟主催)が7月26日・27日の2日間、岩手県盛岡市内のホテルで行われ、日蓮宗保育連盟(冨田義董理事長)に加盟する保育園・幼稚園の園長・保母・教諭ら180人が参加した。同連盟には現在、109園が加盟しており、今大会では30園の参加のもと、仏教保育の研修と関係者同士の交流が深められた。
大会初日の26日は、同日早朝に東北地方で発生した地震で参加者の足に影響が出たため、予定より1時間遅れの午後2時から開会式が行われた。
始めに、会場に到着したばかりの岩間湛正宗務総長が「みなさんのお仕事は、損得では計れない大変崇高なものだと常々思います。これから社会へ巣立つ子供達に対して慈悲の心をもって接することで、子供だけでなく自身も仏の境界に至るのです」と参加者を激励し、続いて田端義宏宗務院伝道部長が「今、教育は国全体の大きな問題となっています。みなさんには子供達の成長の過程を辛抱強く見据えていただき、お仕事に従事されることを御期待いたします」と祝辞を述べた。
研修では、始めに絵本作家で岩手県在住の澤口たまみさんが「子どもと自然と生きる力」と題し講演。澤口さんは命の教育の重要性について、身近な自然と触れ合う経験が子供に慈しみの心を芽生えさせることを強調し、「三つ子の魂百までもというように、大事なことは幼いうちに伝えておかなければならず、自分の場合は、家族に命の大切さと自然のやすらぎ・恐ろしさを教わりました。家族の願いは子供に通じるもので、そうした家族の想いが子供の成長の道筋をつくるのです」と述べた。
続いて劇団「劇団亜季」による公演「読み聞かせ芝居“どんぐりと山猫”」が行われた。物語と詩の朗読に乗せて芝居が進み、豊かな方言を交えて宮沢賢治の童話の世界をユーモラスに表現し、参加者から関心を引いていた。
夜の懇親会では永年勤続者表彰として、30年以上勤続の石井正子さん(神奈川萩園愛児園)に管長表彰が、10年以上勤続の10人の職員に連盟理事長表彰が贈られることが報告された。
2日目の研修では、始めに岩手県伝道担当事務長で児童相談活動を永年行っている吉家本浄師(一ノ関市法泉寺住職)が「仏教的視点からの子育て」と題し講演。吉家師は自身が相談を受けた様々な家庭問題のケースを紹介しながら「親は親の持つ価値観・ものに対する見方を、子供に伝える必要がある。“親の背を見て子は育つ”というが、子供は親の言うことを受け入れなくても親のすることは真似する。よって親が慈悲の想いで伝えた言葉や姿勢は、いつの日か子供の人生に役立つ。子供が社会に出た時、他人と付き合い、自ら判断することのできる“生きる力”を与えてやることが親の仕事なのです」と述べた。
続いて岩手県立大学社会福祉学部教授の佐々木民夫氏が「宮沢賢治の『手紙』」と題し、郷土の偉人で熱心な法華経の信仰者であった宮沢賢治と命の教育について講演。佐々木氏は、賢治が妹トシの死を詠った『永訣の朝』と大正12年に農学校で生徒に配った「手紙」との関連性を解説し、これは世界全体が幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ないという法華経の菩薩の教えに基づいた、賢治による命の教育であったことを述べた。
研修終了後、閉会式が行われ、冨田理事長が「難しい環境に育つ子供たちに今、どんな薬が必要なのか、それをどこまでも探し続けることが私達の仕事です。この研修を明日の保育に役立ていただきたいと思います」と挨拶し、研修生を代表して砂田美佐恵さん(広島県たちばな幼稚園)が「実りある研修を終え、関係の諸先生方に感謝すると共に、これからも、みほとけの子を1人でも多く育てていきたいと心に刻んでいます」と謝辞を述べ、2日間の研修を終了した。
来年は50回の記念大会を山口県で開催する。

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新年のご挨拶。

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