2003年8月1日号
「日蓮宗加行所」再建の上棟式 千葉・中山法華経寺
日蓮宗の僧侶が祈祷法の伝授を受けるため、厳寒期に100日間の錬行を行う「日蓮宗加行所」再建工事上棟式が7月3日、千葉県中山法華経寺で営まれた。
再建されるのは修行僧の寮で、初行(初めて入行する修行僧)と伝師部(行僧の訓育及び修法相承に関する行儀を行う僧侶)が入る「本棟」と再行(入行2回目の修行僧)以上の僧侶が入る「先輩棟」。この2棟は、100日間の読経を行う中堂をはさんで建てられ、渡り廊下でつなげられる。
上棟式は先輩棟で営まれ、新井日湛貫首を導師に、関観康師(東京・徳大寺住職)、渡辺行俊師(正中山奥之院住職)、渡辺貞観法華経寺執事長を副導師に、立教開宗750年慶讃会の田澤元泰事務局長や渡辺照敏千葉北部宗会議員、法華経寺総代や工事関係者が参列。式中、井田法良全国修法師連合会副会長が修法導師をつとめ、連合会常任理事ら10人が出仕して修法が営まれた。コンクリートの堂内には、力強い読経の声が響き渡った。
その後、客殿で祝宴が行われ、新井貫首が「怪我や病気がないよう、知恵を出し合い、立派な加行所にしていきたい」と挨拶。
続いて、田澤事務局長が「全国の修法師を中心に加行所再建に対する勧募が集まっている。このことは上棟と同じ、象徴的なものだと感じます。無事に再建事業が進められ、宗門としても感謝しています」と祝辞を述べた。
全国の修法師が念願し、宗門が慶讃事業として進めてきた、「加行所」の再建円成に一歩近づいた。加行所の完成引き渡しは、平成15年度加行所入行前の10月20日を予定している。