2003年6月20日号
身延山で檀信徒研修道場
平成15年度第1回中央檀信徒研修道場(主催・宗務院伝道部)が6月2日から4日まで、山梨県身延町の身延山信徒研修道場で開かれた。全国12管区から17人(うち女性6人)が参加し、平均年齢は68歳だった。
今回の主任講師は吉田弘信師(石川県全性寺住職)、講師に植田観樹師(大阪府真如寺住職)、書記は植坂泰雄師、小埜栄輝師、上田晃義師。
初日は午後1時から開講式、法華経講義、御遺文講義と続き、夜には読誦行、唱題行が行われた。
2日目は久遠寺の朝勤に参列し、諸堂参拝の後に、9時から吉田主任講師を先頭に奥の院へ徒歩で出発。気温が20度を超える中、何度も休憩をとりながら3時間半かけて登詣した。
下山後は吉田主任講師による御遺文講話が行われ、はじめに『波木井殿御報』を全員で拝読した。その後、吉田師は地図を使って日蓮聖人の足跡を分かり易く説明。高齢化についても触れ、「さみしさ、苦しさも仏のおぼしめし。いつも仏様と一緒にいると思えることで、人は既に救われているのです」と語った。
夜は、参加者一人ひとりが自由に発言する形で法座が行われた。「お寺の行事になかなか人が集まらない」「住職が遷化し、後継者がいない」といった声に対し、講師は「行事の担い手不足は、どこの寺院でも抱える問題であるが、やる気のある若い信徒にいかに協力してもらうかが鍵。後継者問題については、辛抱強く待つことも大事で、若い後継者候補がいるのなら人生の先輩として、励まし導いてほしい。僧侶も檀信徒もお互い教えられることが多い」と答えた。
また、「うちのお寺では檀家による講演会や展覧会を開いて好評だった」との報告も聞かれた。
最終日は午前5時から常唱殿で約1時間の唱題行。続いて道場で小埜書記と上田書記による晨朝講話が行われた。参加者からは「若いお坊さんのお話もすごく楽しみ。新鮮で、聞いていて元気が出る」という感想があがった。
閉講式では、身延山久遠寺の奥野本洋参拝部長が「何回参加されても、その度に新しい発見があると思います。この気持ちを家族や周囲の人に伝えてください」と述べた。
最後に研修生を代表して伊藤政幸さん(千葉県)が「今後も檀信徒としての自覚を持って精進して参ります」と謝辞を述べ、3日間にわたる研修は終了した。