2022年2月20日号
池上本門寺で節分会
季節の節目となる「節分」の2月3日、東京都大田区大本山池上本門寺で節分追儺式が営まれた。例年は大堂(祖師堂)が埋まるほどの福男・福女が参列しているが、今年は新型コロナウイルスのオミクロン株の流行により、16人のみの参加となった。また昨年に引き続き、特別桟敷での豆まきは中止となったが、法要中に大堂土間に人が集まりだし、1年の無病息災にあやかることを望むように手を合わせていた。
福男・福女を前に導師の菅野日彰貫首猊下と式衆によって懇ろに読経がなされた後、修法師による祈祷が捧げられた。参加者は一心に手を合わせ、1年の無事を願った。
菅野猊下は祈願文で福男・福女をはじめとする、檀信徒や世界の人びとに向けて諸縁吉祥を願われ、また新型コロナウイルスの得度退散も祈られた。また挨拶に立たれ、「〝福はうち、鬼はそと〟といいますが、私たちの心には福より、昨年の節分からこの1年で大きく育った鬼の方が多くいます。今年の福を心に入れるためには、まず心の鬼を追い出さなければなりません。お経をお唱えして、いただくそのお力で豆まきをして鬼をそとに追い出し、今年の福をいただきましょう」と話された。
さらにはコロナについても言及され、「自分がコロナに対する用心を重ねることが、世界を守ることになります。〝自分1人だけは大丈夫〟という考えを改めることが、安穏につながっていきます」と求められた。
豆まきは参加者らが大堂の天井に向けて行った。菅野猊下が「受持法華名者 福不可量 福はうち 福はうち」と唱えられた後、「鬼はそと」の掛け声で共に豆をまいた。
年女にあたり参加したという女性の1人は「2年前のコロナ禍からイギリスに住む夫と未だに結婚生活が始められません。早く落ち着いてくれることを願いました」と語った。