2021年8月20日号
小湊誕生寺で海施餓鬼法要
日蓮聖人降誕800年を今年迎えた生誕の聖地・千葉県鴨川市大本山小湊誕生寺で海施餓鬼会法要が8月10日に営まれた。台風10号の影響で高波が発生したため、恒例の妙の浦洋上での灯篭流しは24日に延期となったが、石川日貫首を導師に法要は懇ろに営まれた。
同寺の海施餓鬼は元禄16年(1703)に房総一円を襲った大地震による津波で犠牲となった約400人の御霊を弔うために始まった。戦後は、太平洋戦争での戦没者への慰霊もかねられ、妙の浦で流灯会が行われるようになった。今では夏の小湊の風物詩となっており、花火もあわせて打ち上げられるため、当日には多くの見物客が訪れる。また個人での供養も受け付けられており、今年は大灯篭約40基、灯篭約500基の申し込みがあった。「前年より灯篭の申し込みが増えた。コロナ禍でいろいろ思いが募っているのでは」と担当の僧侶は語る。
法要は出仕者を少なくして営まれたが、例年と変わらない供養が捧げられた。最後に石川貫首は「法要に参加し、供養していただきありがとうございました。ともにお題目を育て、全国の人たちにお題目を弘めるお手伝いをお願いします」と謝辞で述べた。
24日(火)に計540基の灯篭が小湊の夜の洋上を照らす予定。