日蓮宗新聞

2020年6月20日号

コロナ収束願い3500万遍のお題目奉納・池上本門寺で

池上本門寺①東京都大田区大本山池上本門寺で5月30日、新型コロナウイルス疫病得度退散・百万遍唱題修行結願法要が営まれた。
本門寺では、世界中に広がりつつあったウイルスへの対応を日本が決めかねていた2月21日に疫病退散祈願会を営み、この日から同寺内で収束を願い朝勤や夕勤で僧侶参列者とで1日1万遍以上のお題目を唱え、100日間で100万遍を目指す唱題を開始していた。さらには、3月1日からは寺報やホームページなどで、広く他の寺院・一般にも収束を祈るためのお題目を募集。100日目となるこの日までに全国177ヵ寺、1654人から寄せられたお題目は本門寺分の100万遍をはるかに超える3509万8037遍に達した。目標とした当日はちょうど緊急事態宣言解除の時期と重なり、インターネットを通じて動画配信もされた法要では、浄行に参加したすべての寺院名、個人名が読み上げられ、第1波の収束に感謝を捧げた。また3密を防ぐため、檀信徒らは土間で立ったままでの参列となったが、長時間の法要にも関わらず、僧侶とともに世界の安穏のために祈りを捧げ、最後まで人数が減ることはなかった。
導師を務められた菅野日彰貫首猊下は、収束は日本人の清潔観、そしてお題目の祈りによるものと話し、第2波への警戒とともに注意すべきこととして「病気だけではなく、腹を立てたり、匿名で勝手なことを言う〝怒り(瞋)〟、医療従事者の努力を当たり前と思い、感謝を忘れる〝貪り〟、緊急事態宣言下でも賭け事をするような行動の〝おろかさ(痴)〟が病魔の大軍として襲ってきます。例えば、怒りには怒りを返すのではなく、お題目を唱え笑顔で返すことが、大軍に打ち克つ方法です」と挙げられ、コロナ禍にあっても自身の心や行動を持つことの大事さをご教示された。
唱えられたお題目は、大分県法華寺25人での約65万遍、千葉県南部宗務所管内185ヵ寺による46万遍、海外10ヵ国からの5万遍など。本門寺では6月1日から第2期祈願を行っており、9月8日までの100日間100万遍のお題目を再び目指す。また同時に全国寺院教会結社や檀信徒などへ収束のためのお題目の奉納の呼びかけを行っている。
法要後、菅野猊下は取材に応じられ、100日後の状況悪化を想定していた胸の内を明かすも、「仏さまのおかげでみんなの祈りが通じました。祈りの大事さに改めて気付きました」と述べられ、「信仰離れと言われる昨今ですが、信仰を守っている人がいるからこそ、これだけのお題目が集まったことに逆にコロナで元気づけられました」とも話された。また日本人の清潔観や衛生観は、仏教における清浄観からつながっているものと語るも、「収束での気の緩みは一番、悪魔が入りやすい時期であり、第2波の方が恐い可能性があります」と一段の気の引き締めを促された。
本門寺では、感染拡大防止のため、朝勤や法要で僧侶が向かい合う座配を取りやめ、全員がご宝前に向かう形にしたり、動画配信での法事を行うようになっている。菅野猊下は、「親戚が集まれない状況での動画配信の法事に〝母の法事ができた〟と、みんな喜んでくれました」と安心するも、「今夏のお盆に棚経へ行けなければ信仰を失う可能性もあります」と危惧もされる。「コロナ禍にあっても、伝統を守ることと同時に、寺院として何ができるのかを考え、檀信徒に寄り添っていきたい」と前を向かれた。

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