2019年4月20日号
京都本山妙覺寺「木造日蓮坐像」などが重文に
文化審議会が3月18日に文部科学大臣に答申した重要文化財指定41件のうち、京都市本山妙覺寺格護の「木造日蓮坐像 院興作」と同市本山本法寺の「紙本金地著色唐獅子図四曲屏風」一隻が含まれた。
「日蓮坐像」は像高82・5㌢。像内銘により鎌倉末期に活動した院派仏師・院興作と知られ、大づかみな形体把握で堂々たる体躯を表し、当代肖像彫刻の重要作例と位置づけられた。また東京都大本山池上本門寺(重文)に次ぐ作例として貴重とされた。
金雲たなびく金の空間を唐獅子が悠々と歩く姿を表した「唐獅子図」(縦174・9㌢、横362・9㌢)の絵師名は不明だが、狩野派の一流絵師の手によることは間違いなく、狩野永徳の遺風を伝える勇壮な気分にあふれた画趣が圧巻で、桃山時代の金碧障屏画を代表する優品として高く評価された。
妙覺寺の宮﨑日嚴貫首は指定について、「81世関根日要上人代に重文への動きがあったが叶わず、30年越しの念願となった。衣の線が非常に美しい尊像で日蓮宗の大きな財産にもなったと思う。東の池上本門寺、西の妙覺寺の祖師像というように、いつでも祖師堂にお祀りしているので、ぜひ拝みにきてほしい」と述べた。また本法寺の瀬川日照貫首は、「今は消されているが、唐獅子の横にその子どもが描かれた跡があり、かわいがっている眼ざしの様子を表していたと言う。そういった観点からもこの図を楽しんでほしい」と語っている。
5月6日(月)まで東京国立博物館本館(台東区上野公園13―9)で公開中。