2018年1月20日号
身延山「御年頭会」
年初の日蓮聖人月命日にあたる1月13日、山梨県総本山身延山久遠寺(内野日総法主)で御年頭会が行われた。祖師堂で営まれた新年の祝詞を捧げる法要では、内野法主猊下が日蓮聖人の御魂へ供膳・献酒された。また昨年末に就任した中川法政新宗務総長を始め約400人の僧侶檀信徒とともにお題目を唱えられ、改めて仏国土顕現を誓った。
法要後は祖師堂前で曳馬式が行われた。内野法主猊下は「たくさん食べて元気に生きなさい」と馬に優しいお言葉を掛けられながら人参をお与えになられた。
祝賀宴では中川総長が、「全ての道は身延のお山に通じる。本年も日蓮聖人の魂魄宿る祖山・身延山を中心にお題目の輪を広げ、安穏なる社会を実現するべく、不惜身命の決意で取り組んで行く」と誓うとともに、身延山の発展と内野法主猊下のご健勝を祈念した。続いて中川総長と日蓮聖人の本弟子にあたる六老僧ゆかりの門跡寺院の貫首らが内野法主猊下を囲んでお盃の儀を行い、迎春を寿いだ。
内野法主猊下の年頭のお言葉では、物の不足はないが心の不足が見受けられる世の中を顧みられ、「新しいものに目を向けるため、こだわりを捨てて変化を望む時機。変化とは良くも悪くもなりえます。よりよく生きるために、自己だけではなく他者とともに合掌し、人と人とが互いに信じ合えるようお題目の結縁がますます必要になります」と法華経とお題目の信仰を持ち1日1日、命ある限り楽しく笑って過ごすことの大切さを述べられた。
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御年頭会=日蓮聖人が身延山にご入山の翌年(建治元年=1275)に波木井実長公ら弟子檀越が年賀の挨拶に訪れた後、波木井邸で祝賀慶事が行われたことに由来する。日蓮聖人は駿馬に召され、しばし時を忘れるほどお楽しみになられたと伝えられる。