2014年11月1日号
池上本門寺でお会式
日蓮聖人を偲び、報恩感謝を捧げる第733遠忌お会式がご入滅の地、東京都大田区・大本山池上本門寺(酒井日慈貫首)で10月11日から13日まで行われ、約26万人の参拝者が訪れた。
12日は午前10時から酒井貫首を導師に宗祖御更衣法要が営まれた。東京都町田市や神奈川県川崎市などの檀信徒を中心に約700人で構成される武相御召講が御召服を献上。読経のなか日蓮聖人像の御衣が夏物から冬物にお召し替えられた。講の1人は「少子高齢化などもあり年々人数は減っているが、伝統を守りたい。私も歳をとり、96段ある此経難持坂を登るのは大変だが、参加し続けたい」と語った。午後2時からは宗祖報恩御逮夜法要が営まれ、お題目が唱えられると、大堂(祖師堂)内の参拝者は手を合わせた。
午後6時頃から、北海道をはじめ全国から集まった約100講中による万灯練供養が行われ、リズミカルなお囃子とうちわ太鼓の音色で勢いをつけた纏衆が大きい纏を豪快に振ると、大きな拍手や歓声と熱気に包まれた。初めて参拝した人は「感動しました。みんなにお会式のすばらしさを伝えたい」と語っていた。万灯の光の行列は約2㌔に及び、深夜まで池上の町を照らした。
13日朝、大堂に約600人の参列者が集まった。豊田慈證師(愛知県法華寺住職)が日蓮聖人の波瀾万丈ながらも慈悲心あふれるご一代記を法話。続いて営まれた臨滅度時法要では、8時頃、参列者が頭を垂れ、静まり返った大堂に酒井貫首が鳴らす鐘の音が響き渡った。
酒井貫首は、「私たちは、日蓮聖人が立正安国のために行動されたことを心に刻み、同じく実行に移すことが大切。日蓮宗徒は社会の人びとを守り、生活を明るくしていくことが使命であり、常にそうあるべきことが本当の報恩感謝だ」と述べた。