2014年7月10日号
北米開教100周年記念講演と晩餐会
北米開教100周年慶讃法要が6月29日、内野日総管長猊下(総本山身延山久遠寺法主)を大導師にロサンゼルス日蓮宗米国別院(井上定胤主任)で営まれた。前日の28日には、開教師とともに早水日秀日蓮宗声明導師を導師に北米開教布教先師報恩声明法要と東京都西部修法師会(稲荷泰雅会長)の祈祷会が営まれた。夕方にはホテルでプリンストン大学ジャクリン・ストーン教授(写真円内)の記念講演、夜には内野管長猊下をお迎えし、晩餐会が開かれた。
記念講演では、ストーン教授が日蓮聖人の教義の独自性について講演し、法華経への帰依や唱題行、立正安国を解説した。そのなかで、唱題行は誰もができることや、お題目が自己の欠点や心の暗の部分を修正し、成長させると語り、また自らが仏になるための修行だけではなく、平和で安穏な仏国土をこの世に実現させることを目指したことに特徴があると述べた。最後に「宗教多元化の米国社会のなかで、法華信仰を根付かせるためには、多くの課題に直面し、時間もかかることでしょう。しかし、僧侶信徒の法華経弘通の努力には、すでにその結果が内在している」と北米の開教師と信徒を讃えた。
晩餐会には北米開教師や信徒、日本から慶事を祝うために駆けつけた僧侶檀信徒約350人が出席した。盛大な拍手で歓迎を受けた内野管長猊下は恭しく出席者に合掌された。ご挨拶では、「この慶事に大導師を務められることは法悦に堪えない」と喜びを語られ、「総本山身延山久遠寺の標語である〝共に生き、共に栄える〟とは、お互いに敬い、助け合いながら誰もが安穏な社会〝立正安国〟を築くことであり、私たち人類に課せられた使命です。この〝安国〟とは、自分の国ばかりのことだけではありません。閻浮提、すなわち世界中のことを示しています。私たち日蓮聖人門下は、個人の安寧、自国の平和はもとより、世界中の平和に向けて邁進することこそ、宗祖の大願にかなうことなのです」と述べられ、宗門として北米開教区への一層の支援を誓われた。
続いて、記念品が内野管長猊下から北米寺院教会へ、また北米寺院教会から内野管長猊下に贈呈された。さらに北米寺院教会へ海外布教後援会(吉田文堯会長)と國際佛教親交会(持田日勇会長)から助成金が贈られた。渡邉日易國際仏教親交会理事長の乾杯の発声で、100周年の慶事を祝うとともに北米の先師や信徒の苦労を偲んだ。