2013年3月10日号
東日本大震災犠牲者諸霊位一周忌追善法要
日蓮宗主催 大本山池上本門寺で厳修
「忘れてはならないあの日」-「祈りの日(毎月28日)」の2月28日、日蓮宗主催の東日本大震災犠牲者諸霊位一周忌追善法要が東京都大田区の大本山池上本門寺(酒井日慈貫首)の本殿で厳修された。大導師の内野日総管長猊下、副導師の兵賀栄真東北教区長・小林智英福島県宗務所長・日野教恵宮城県宗務所長・阿部是秀岩手県宗務所長とともに僧侶檀信徒約350人が犠牲者へ慰霊の誠を捧げた。
ご宝前には今年度の日蓮宗加行所の壱百日の間、祈念・回向された「東日本大震災犠牲者諸霊位」と記されたお位牌を奉安。脇には被災地の伝統産業の振興を祈念するため、福島県の三春張子が“いのちの灯”として表現され、また岩手県の東山和紙の折り鶴が祀られた。
法要に先立ち、舞台や映画などで女優として活躍する若村麻由美さんが、石巻市の高校生の作文と宮澤賢治の『雨ニモマケズ』を朗読。作文には津波の恐怖と悲惨さ、家族と再会した喜び、そして救援の人々に感謝し、「生きのびた命。これから何事にも負けず、一生懸命生きていきたい」とつづられ、参列者は朗読される惨状や希望を一字一句噛みしめた。
法要には渡邊照敏宗務総長をはじめ宗務内局と酒井貫首が列席。内野管長猊下は追悼文で厳かに冥福を祈った後、「願わくは我らと被災者と皆ともに、和衷共済(心を同じくし助け合う)して、早期復旧を誓いて“共生共栄”の世へと導かん」と閉じられた。
渡邊宗務総長は挨拶で被災地の早期復興と物心両面にわたる支援に今後も取り組んでいくと改めて誓い、宗門運動「立正安国・お題目結縁運動」で安穏な社会づくりを目指していくと述べた。
法要後、若村さんとともに参列者が日蓮宗作成の「祈りの言葉」を唱え、それぞれの思いがお題目に込められた。