2012年4月20日号
星弘道師(戒行寺住職)が「書」部門で日本芸術院賞を授賞
現代日本書家の最高峰に
日本芸術院(三浦朱門院長)は2011年度日本芸術院賞授賞者を発表し、「書」部門で星弘道師(東京都戒行寺住職)が受賞した。対象作品は「李頎詩 贈張旭(りきし ちょうきょくにおくる)」。
同賞は日本芸術院が、同会会員以外の卓越した作品を作成者に贈る賞で、対象作品を設けて贈られる芸術の賞としては日本最高のものといわれている。星師は平成19年の日展会員賞、同22年の日展文部科学大臣賞受賞に続き、今回の日本芸術院賞受賞で名実ともに現代日本の書家の最高峰に至った。表彰式は6月18日、東京・上野の日本芸術院会館で天皇皇后両陛下ご臨席のもと行われる予定。
作品の文意は「(張旭の)気持ちが高じて白壁(素壁)に筆をふるう姿、真っ黒な墨が壁にいきわたるさまはまるで流星のようだ」というもの。唐代の高名な書家・張旭に贈られた詩の一部で、張旭の書に臨む際の迫力を巧みに表現した一文。「納得がいくまで書き尽くす」という星師の信念のもと完成まで実に300枚以上、筆を運んだという。
「随所に主なれば立所皆真なり」を座右の銘とする星師は、「ただひたすらに自らの置かれている立場に努め、これからも書の深さを突き詰めていきたい」と話している。