2011年12月10日号
全国檀信徒青年会管区代表者会議開く
お寺を盛り上げることが日本全体の復興につながる
平成23年度第13回「全国檀信徒青年会管区代表者会議」が11月19、20日に東京都大田区の日蓮宗宗務院で開かれ、全国から檀信徒の代表者47人が参加した。現況報告や活動の充実を図るための意見交換、僧侶檀信徒一体で行う宗門運動のあり方について活発な討議が行われた。
開会式の挨拶では古河良晧伝道部長が「檀信徒一人ひとりが宗門運動推進の担い手。合掌礼で相手を敬い、思いやる心を育んでください」と述べ、相澤弥一郎全国檀信徒協議会(檀信協)副会長が会同士の情報共有を呼びかけ、「地域の中心であり、心の拠り所であるお寺を盛り上げることが、日本全体の復興につながります」と語った。
講演では大西秀樹伝道推進委員長が「共に支え合う宗門運動」と題して登壇。「宗門運動は“私が仏になるため”ではなく、“みんなで仏になろう”という運動」と述べ、「日蓮聖人が南無妙法蓮華経の七字に置き換えられた、相手の中にある仏の心を敬う合掌礼の実践は、世界を平和にする方法としては遠回りのものかもしれません。でも今、私たちにできることは、合掌礼しかないのです」と結んだ。
青年会の活動発表では岩手県智恩寺檀徒青年会「波木井会」から西山文生師、東京都身延別院青年会から檀信徒が取り組みを紹介。波木井会は「お寺を盛り上げ、檀徒の交流と自己研鑽」を目的に設立され、お寺の奉仕活動として花まつりや、信行活動として寒修行などを積極的に行っている。今後は地元郷土芸能祭りへの参加や未信徒青年層を取り込むための万灯講の立ち上げや、地域清掃などの社会貢献を目標としている。
一方、身延別院青年会もお寺の行事に参加するが、主に地域社会貢献を目的に不特定多数の一般の親子を対象にしたバーベキュー大会やランドセル無料配布などの子育て支援活動を展開。また宗教法人の青年会では受けにくい行政の賛助や連携、未信徒への間口を広げるために、地元にゆかりのある幕末の志士を顕彰する目的の社団法人を立ち上げ活動している。寺院での活動を中心に社会貢献する前者と社会貢献を中心に寺院に関わる後者の対照的な2つのモデルは、地域性によるアプローチの違いはあるが、最終的には“お寺に足を運んでもらい、お寺と地域を活性化させる”という同じ目的を持っている。発表終了後、4つのグループに分かれてのディスカッションが行われ、様々な意見が交わされた。
2日目は大本山池上本門寺(酒井日慈貫首)を参拝し、酒井貫首の法話を聴聞。その後、東日本大震災で娘を失った男性が講演。津波の勢いに孫の手を離してしまった祖母が自身を責める姿や、しらみつぶしに娘を捜索した実体験を語った。講演後、参加者全員で自我偈を唱え、娘さんの冥福を祈った。