2011年5月20日号
東日本大震災復興祈念大国祷会
「皆さまと唱えるお題目を集め時代をも動かすエネルギーに」
日蓮聖人棲神の聖地、総本山身延山久遠寺(内野日総法主)では5月5日に東日本大震災復興祈念大国祷会を厳修、内野日総法主猊下が導師を務め、修法導師に井上瑞雄総務、山静教区を中心とした修法師104人が出仕し営まれた。
式には駒野教源総務局長、渡邉義生総長室長をはじめ日蓮宗宗務院関係者や全国から僧侶信徒が多数参列、連休ということもあり多くの参拝者とともに国家の安泰と被災地の早期の復興に向けた祈りを捧げた。本堂に修法師の力強い読経、木剣の音が響き渡り、参列者が一心に唱えるお題目は被災地へ届けとばかりに山内に木霊した。内野法主猊下は家が流され、家族を失い、今までの生活が一変してしまったこの東日本大震災はまさに国難であるとし、この激甚災害に対してはいたたまれない気持ちでどのような言葉も無力に聞こえるかもしれないと述べられ、「ただ皆さまと唱えるお題目を一つに集め時代をも動かす大きなエネルギーにしたい。今、被災地の復興を願って唱えたお題目は必ず届きます」とお話しになられた。井上瑞雄総務はまず犠牲者の冥福、被災地の一日も早い復興を願い、そして『祈祷抄』の一節“法華経の行者の祈りの叶わぬことはあるべからず”を引用し、「必ずや皆さまの祈りは被災地や被災された方々へ届くものと確信している」と力強く謝辞を述べた。
また身延山久遠寺では4月4日、5日に被災地の視察を行い、被災管区宗務所(岩手、宮城、福島、青森)に合計1700万円の義援金を送っている。