2008年11月1日号
遠野・花巻市で街頭布教 内野猊下御親修
遠野の地は内野猊下の先祖にあたる遠野南部家が長きにわたって治めた土地で、歴代藩主が眠る南部家墓所が護持されている。内野法主猊下をはじめ布教隊の団長を務めた石川浩徳身延山布教部長以下20人の隊員は、法主猊下ゆかりの地で諸霊に追善の誠を捧げるとともに、一昨年10月の内野法主身延山入山以来取り組んできた諸行事の無事円成を報告し、3ヵ寺で「立正安国・お題目結縁法要」を厳修し、御経頂戴が執り行われた。
10月3日午前10時半、合図の花火が上がり遠野市内唱題行脚が始まった。身延布教隊を岩手青年会(田口昌芳会長)が先導、約1時間にわたって遠野の街にお題目とうちわ太鼓の音がこだました。途中、遠野市長表敬訪問を終えた内野法主猊下のお車が合流。行脚隊に導かれるように智恩寺(西山昌秀住職)に到着した。
智恩寺本堂には約150人の参列者が集まり、内野法主猊下を大導師に、副導師を西山住職、石川布教部長、岩手県宗務所長・梅澤宣雄師、木藤養眞師(大槌町蓮乗寺院首)の四師が務め「立正安国・お題目結縁法要」が厳修された。法要後、内野法主猊下は関係各位に謝辞を述べるとともに、「愛される祖山を目指しています。そこから発信される世界平和のお題目の中継基地としての智恩寺に期待します」と檀信徒を激励した。これを受け西山住職は「この法要を機に檀信徒とともに一層精進していきたい」と挨拶した。
その後、参列した檀信徒のために、石川布教部長が法話を行った。石川師は川柳で笑いを誘いながら宗門運動を解説し、手を合わせて拝む姿に幸せがあることを説いた。次いで内野法主猊下と布教隊一行は智恩寺の裏手の鍋倉城址にある南部家墓所と南部神社を唱題行脚しながら参拝した。
翌四日は遠野市宮守の法華寺(阿部是秀住職)に移動。同寺周辺を唱題行脚の後、本堂で内野法主猊下を導師に「立正安国・お題目結縁法要」を厳修し、御経頂戴が執り行われた。同寺は内野法主猊下からさかのぼること6世、身延山第86世一乗院日静上人を開山とし、その遺骨が分骨されている。日静上人の遺徳を偲びながらの法要となった。
続いて花巻市に移動。花巻駅から身照寺(牛﨑海秀住職)まで唱題行脚を行った。身照寺ではこの日の内野法主猊下御来駕に合わせて参道を整備。猊下は渡り初めをして「立正安国・お題目結縁法要」に向かわれた。同寺は宮沢賢治ゆかりの寺でもあり、布教隊は法要終了後、牛﨑住職から宮沢賢治についての説明を受けた。
里帰りともいえる岩手街頭布教を終えた内野法主猊下は「岩手県は南部家のご先祖の眠る霊地、私には縁の深い、いわば魂のふるさとであります。五重塔の建立もほぼ完成を見ることができ、ご先祖への法主就任のご報告を兼ね、宗門が展開する信仰運動を盛り上げるべく、身延山行脚布教を実施しました。岩手県下のご寺院、教師の皆さんのご協力もあり、大成功裏に終わったのでホッとしています」と話された。