日蓮宗新聞

2008年11月1日号

本山本法寺 諸堂修復営繕円成報告大法要

宝塔伽藍に新たな息吹
5年をかけて修復 開山上人の思いを後世に 京都市上京区

「鍋かむり日親上人」の名で知られる久遠成院日親上人によって永享8年(1436)に開創され、日親上人が全国各地への伝道の拠点とした京都市上京区の本山本法寺(大塚日行貫首)。本法寺で5年にわたり進められてきた諸堂修復大事業が完遂を迎え、10月16日、諸堂修復営繕円成奉告大法要が盛大に営まれた。
京都町衆の法華信仰を今に伝える寺之内。門前には表千家・裏千家の両家家元が門を構え、古い街並みが落ち着いた風情を醸し出している。
天正15年(1587)に現在地に寺地を構えた伽藍は、経蔵と宝蔵を除いて天明8年(1788)の大火で焼失し再建された。以後200年の歳月を経て荒廃が進んだことから、本法寺では平成15年、修復営繕事務局(鈴木英正事務局長)を結成。懸命な呼びかけに、京都八本山、地元寺院、本法寺参与会、全国の親師法縁寺院、有縁の僧侶檀信徒から多大な協力を受け、多宝塔解体修理、庫裏屋根修復、鐘楼解体修理、経蔵外壁全面塗り替えを主に、開山堂天井画・格子保存修理、開山堂宮殿・須弥壇保存修理、門番所袖塀改修工事など大規模にわたる修復事業となった。

本法寺境内の建物は涅槃会館を除いてすべて文化財に指定されており、作業は京都府文化財保護課の指導を受けながら、可能な限り元の素材を再用するなどして修復箇所が際立たないよう古色にあうように配慮された。
特に、京都旧市内唯一の遺構である多宝塔は、上重の屋根の傷みが激しく解体し全面的に改修。上重の瓦を古瓦に合わせて新調し上・下重とも細部にいたって補修・補強がなされ、外部は水洗いし木口の塗装と痕跡調査で判明した緑青の彩色を行った。
見事な秋晴れに包まれた16日、境内には参拝団の大型バスが次々と訪れた。午後1時、諸堂修復営繕円成奉告大法要が大塚貫首を導師に営まれ、大塚貫首の読み上げる力強い奉告文と、全国から参列した僧侶檀信徒約500人の読経が、整えられた伽藍の合間を流れ響いた。
 祝辞に立った大本山法華経寺(千葉県市川市)の新井日湛貫首は「大塚貫首の情熱あふれる慶讃文に感激しました。歴史のあるお寺の維持は、涙が出るほど大変なものです。中心になる人が全身全霊を投じ、法華経への誠心とお祖師さまに対するご恩返しと考えなければできない仕事です」と大塚貫首を慰労。また、本山妙覺寺(京都市上京区)の頂岳龍乗貫首は、京都八本山の伽藍が天明の災禍後に建立されて以来200年以上を経過し、早急な修理修復が必要とされている中で、本法寺がいち早く修理修繕を終えたことを慶賀の至りであると、お祝いの言葉を贈った。
施工業者へ感謝状を贈呈し謝辞に立った大塚貫首は、雨漏りがしたという平成13年の晋山当時を振り返りながら、軽い修復と考えていたところ、調査の末に大規模な修復が必要とわかり奔走、工事途中にも次々と内容を拡大しなければならなかった経緯を語り「開山上人の思いを引き継いでこられた親師法縁各聖、参与の方々をはじめ全国の皆さんの熱烈なる思いが届き予算額に応じるだけの勧募を頂戴しました。感謝の思いでいっぱいです。皆さん方と共に仏祖三宝、開山上人にご奉告をしなければと今日の法要をさせていただきました。僧侶檀信徒の皆さんに、本法寺を護っていただきたい。次の貫首さまにもその次の貫首さまにも、この本法寺を生かしてやっていただくようお願いしたいと思います」と、感無量の面持ちで参列者一人ひとりに話しかけるように感謝の言葉を述べた。

時の将軍足利義教に『立正治国論』を献じた日親上人は、焼鍋を頭にかぶせられるなどの残虐な迫害に遭いながらも、平和を願い法華経を弘めた。その開山上人の思いを後世に引き継ぐ堂塔伽藍に新たな息吹が吹き込まれた。

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