日蓮宗新聞

2008年9月1日号

節目の50回目、千鳥ヶ淵戦没者墓苑で  戦没者慰霊と平和の祈り

63回目の終戦記念日を迎えた8月15日、日蓮宗は小松浄慎宗務総長を導師に「戦没者追善供養並びに世界立正平和祈願法要」を、東京・千代田区にある千鳥ヶ淵戦没者墓苑で営んだ。この法要は同墓苑が昭和34年に創建されて以来毎年行われている法要で、今年はちょうど50回目の節目の年となった。この日も猛暑のなか、僧侶檀信徒のほか一般の参列者約400人が合掌して戦没者への慰霊と平和への祈りを捧げた。

平和を祈るお題目 400人が合掌
打ち鳴らされるうちわ太鼓と唱題。それに同調するように墓苑を取り巻く木々からのセミの声。戦没者の遺骨が納められている六角堂内に大曼荼羅ご本尊を奉安し、午前九時に導師、式衆が入堂した。ひときわ目をひくご宝前に奉安された7000羽の千羽鶴は、愛媛管区で宗務所長をはじめ管内僧侶、東予万灯講を中心とした檀信徒が祈りを込めて折ったもの。
今年は、導師を小松浄慎日蓮宗宗務総長、脇導師を東京四管区宗務所の鈴木良敬所長(東部)、矢嶋泰淳所長(西部)、石井隆康所長(南部)、佐野詮学所長(北部)が務めた。修法導師は渡部堯信東京西部修法師会長が務め、式衆に東京四管区の声明師会、修法師会、青年会の会員が出仕。六角堂の中央に安置された陶棺に向かい声明、読経、修法を行い、表白文で戦没者諸精霊に追悼の意を表すとともに、世界平和を祈念した。

 続いて参列者全員による焼香が行われた。戦争という時代を生きてきた者も戦争を知らない世代の者も、それぞれが尊い命を犠牲にした戦没者の冥福を祈るとともに、二度と戦争が起こらぬよう祈りを込めて合掌した。
その後、(財)千鳥ヶ淵戦没者墓苑奉仕会の馬野猛彦理事長が挨拶に立ち、同墓苑の創建以来続く日蓮宗による法要に対し謝辞を述べるとともに、戦後63年を経てもいまだに続いている遺骨収集の現状について語った。
最後に伊東隆司日蓮宗伝道局長が小松総長の挨拶文を代読。挨拶文で小松総長は『立正安国論』の一文を紹介。日蓮聖人が、一日も早くこの世に平和を築き現世を安穏にし、来世の成仏を祈ることが大切であると述べたこと、そしてまことのみ教えを自分一人が信じるだけでなく、他の人の誤りをただすことに務めることこそ肝要であると示したことを述べた。そして日蓮宗では「立正安国・お題目結縁運動」の名のもと「合掌礼」の実践を展開し、安穏な世界の顕現を目指し宗祖の示した立正安国の精神を全世界に広げるべく取り組み中であると話した。遺族の老齢化が進む中、次代を担う世代に志を受け継いでいくこと、この思いを語り伝えていくことも役目であると結んだ。
千鳥ヶ淵戦没者墓苑に納められている遺骨は、昭和28年以降に政府派遣団が収集したものと、海外から帰還した部隊や個人によって持ち帰られたもの。軍人、軍属のみならず海外において犠牲となった一般邦人も含まれている。いずれも遺族に引き渡すことのできなかったもの。今年も新たに629柱の遺骨が収集され同墓苑に納められ、奉安されている遺骨は総数35万2926柱となった。

猛暑の中、80人が唱題行脚
法要後には千鳥ヶ淵戦没者慰霊法要五十周年を記念して東京東部・西部・南部各宗務所の僧侶合わせて約80人が唱題行脚を行った。うちわ太鼓を手に墓苑近くの東郷神社を出発。東部行脚隊は墨田区の震災慰霊堂、南部は本山池上本門寺、西部は矢嶋泰淳宗務所長自坊の新宿区幸國寺まで、猛暑の中、平和を祈るお題目を轟かせた。

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新年のご挨拶。

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