日蓮宗新聞

2008年5月10日号

妙栄寺復興の落慶法要 度重なる天災にめげず

平成16年7月、新潟県と福井県を襲った集中豪雨により、同月13日、新潟県長岡市を流れる刈谷田川が決壊した。テレビに映し出された荒れ狂う濁流の中で毅然と佇む日蓮聖人銅像の姿を目にした人も多いだろう。その決壊の現場となり日蓮聖人銅像のみを残し、本堂、客殿、毘沙門堂、鐘楼、墓石などすべてが流された長岡市中之島妙栄寺(望月是範住職)がこのたび、3年9ヵ月という短い期間で復興を成し遂げ、4月20日、復興再建の落慶法要を営んだ。再建中にも追い打ちをかけるように襲った、中越地震、中越沖地震。度重なる天災を受けながらも、望月住職と檀信徒が一体となり復興をあきらめず、敷地と伽藍を新たにした法華経の道場が再出発をした。

妙栄寺は河川改修のため、被害にあった寺地から約1キロほど離れた、長岡市中之島古新田に移転となり、寺門再興に向けて僧侶檀信徒一体となり努力してきた。
前日までの風雨もおさまり穏やかな春の陽気に包まれた20日、法要に先立ち、再建された妙栄寺に向かって檀信徒の太鼓団を先頭に稚児行列が行われ、唱題と太鼓の音が響き渡った。行列の到着後、真新しい本堂で望月是祥師(新潟市寶泉寺住職)が法楽加持を行い、参列した稚児の発育増進が祈念された。
法要は麗水散華で道場を清めた後、望月住職を導師、管内の小川英爾師(妙光寺住職)、中村義玄師(妙音寺住職)、本田義元師(法華寺住職)、青木泰俊師(顕法寺住職)を副導師に、管内各師が式衆を務めて営まれ、僧侶檀信徒200人が参列した。
法要中、望月住職の孫の望月皓平くん(10)と陽平くん(8)が元気よく天童祭文を読み上げ、落慶の喜びを表した。

 望月住職は慶讃文で、妙栄寺が慶應4年戌辰の役の際、矢弾を受け本堂・客殿が焼失した。焼け跡から合掌をした姿で火定遷化された第16世恵明院日耀上人の意思を継ぎ、本堂再建の大願を成就した第17世龍法院日祥上人のことを奉告した。そして今回の被災を振り返り、「立教開宗750年慶讃位牌堂が完成し、7月25日の完成開宗会に供えるべく期待して疑はず。刈谷田川決壊濁流猛威の前には為すすべもなく、本

堂客殿等全て一瞬にして流出する。ああ無念なるかな。見ると誠においたわしい大聖人の銅像濁流の中、合掌のお姿毅然として立たれし雄魂の姿。必ずや再建浄業成就せんと決意する」 と述べ再建の経緯を説明。そして災害直後に駆けつけた東京南部の社会活動部会を始めとするボランティア方々への感謝を述べるとともに、多くの協力を得て本日の開堂式を迎えることができたことを仏祖三宝、高祖日蓮大聖人に奉告した。

また被災者であるにもかかわらず復興に深甚の協力をした檀信徒と業者に管長表彰、総長表彰、感謝状が渋谷文崇宗務所長と望月住職から手渡された。続いて小松浄慎宗務総長からの祝いの言葉を渋谷所長が代読し、本山妙法寺長谷川日城貫首、宗会議員の齊藤憲一師(柏崎市東城寺住職)、渋谷所長がそれぞれ祝辞を述べた。齊藤師は「見事に復興した妙栄寺の再出発を、仏天のご加護のような素晴らしいお天気のなか開かれること喜びに堪えません。災害の直後に現地に入り長靴で回った時、天災の恐ろしさ、水の怖さをまざまざとみせつけられました。またその後に中越地震、中越沖地震があり、私のお寺の本堂も潰れまだ復興していません。しかし災害当時、70歳を超えていた望月住職が『命のある限りお寺の為に尽くす』という言葉を頂き大変感銘しました。この言葉を思い出し自分のお寺も復興に奮起することを誓いました。日蓮聖人は龍ノ口で首を刎ねられそうになっても、佐渡に流罪になっても、挫折から立ち上がられています。お題目は挫折から立ち上がれる信仰です。その見本を見せて下さったのが望月住職です」と偉業を成し遂げた望月住職と檀信徒を讃えた。
最後に妙栄寺総代の笠原利江さんと望月住職が「ただただ感激で言葉がありません。私自身がこんなに早く再建できたことに驚いています。それは仏祖三宝、日蓮聖人、檀信徒の皆さまの力で成り立ったお題目の功績。これから命の続く限り妙栄寺の復興をお題目の心をもって行います」と謝辞を述べた。
その後、場所を移して清宴が行われ、参加者は復興を祝い喜びを語り合っていた。

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