日蓮宗新聞

2008年4月10日号

祖山身延山で五重塔上棟式

 総本山身延山久遠寺(内野日総法主)で三月十四日、百三十年ぶりの再建となる五重塔の上棟式が営まれ、僧侶檀信徒・建設関係者ら約六百人が参列した。平成十八年三月の地鎮式以来、順調に進められてきた工事は、高さ約四十メートルの五層目まで組みあがり外観がほぼ完成、今後内部の作業に入る。身延山から全世界へお題目発信のシンボルとなる平成の五重塔が、今秋いよいよ出現する。

久遠寺では五重塔が江戸時代初期の元和五年(一六一九)と万延元年(一八六○)の二度建立されているがともに焼失。平成十四年九十一世藤井日光猊下によって発願された五重塔再々建は、最初に建立された元和の塔を根幹に、宮大工の伝統的工法と平成の建築技術の粋を結集し、材料・工法・意匠にわたって当時の姿を再現しようという「復元の塔」。明治以降の境内伽藍復興整備の総仕上げとなる悲願の一大事業として、久遠寺では全身全霊で進めてきた。
上棟式は内野法主猊下を導師、日蓮宗加行所伝師の佐野前暁師を修法導師に、百二十人の修法師が出仕して営まれた。

 五重塔五層目からの散華で開式。佐野伝師がご宝前修法を行い、修法師の力強い読経と木剣の音が身延のお山に染み渡った。
内野法主猊下が「仰ぎ祈らくは修し奉る加持法音の功徳、能く諸の因縁業障を除いて清浄なる事を得、仏天常に随喜影現して感応擁護を垂れ、永く三災四劫を離れ、諸縁吉祥にして工事障りなく進み、諸願円成せしめ給え」と祈願文を奉読。続いて、工匠之儀として塔建立の起点となる「博士杭之儀」、博士杭から所定の位置に建立されているかを計測する「丈量之儀」、当時の木材の引き上げを模して永遠に建立し続けることを祈願する「曳綱・棟打之儀」、感謝と災いを払う「撒銭撒餅之儀」と続いた。
最後に井上瑞雄総務が挨拶に立ち「この大事業を発願された九十一世妙道院日光上人も必ずお喜びくだされていると存じますし、そのご意志を継がれた内野法主猊下も本日拂を執られ感激ひとしおと拝察致します。五重塔こそは法華経の根本道場たるこの身延山よりお題目を全世界に発信する基地のシンボルとなるものです。明年は立正安国論奏進七五○年を迎えますが、一天四海皆帰妙法の祖願達成に向けて、身延山史に新たに輝かしき一頁を記したものと存じます」と述べ、竣工にさらなる精進を誓った。
式後、祝賀の宴が身延山大学講堂で行われた。

 内野法主猊下が、無事上棟式を済ませることができたことに深く感謝の意を表し、小松宗務総長が「法主猊下が常々御親教下さいますとおり祖山の歴史に於いては百三十年ぶりの再建であると同時に、信仰的に申せば〝如来の全身ますます〟大宝塔の建立であり、法華絵巻の完成をうかがうものです。私自身、この地にみ仏のご縁を賜り坊をお預かり致しておりますが、祖山に槌の音が響く音を耳に致しますと、恰も諸天が天鼓をうって、衆の伎楽をなすが如き法悦を感じております。私ども日蓮大聖人の信仰の系譜につらなる者は、宗祖棲神の此の身延山を元として信心を重ねる事が肝要であります。『立正安国・お題目結縁運動』は但行礼拝の菩薩行を私ども一人ひとりが実践し、未だ仏縁なき人々にまでお題目と結縁して頂く信仰の歩みであります。願わくは仏祖のみ心が留るこの地より力強く発せられ、世の人々が妙法の光に照らされて安穏なる国土すなわち立正安国・浄仏国土が顕現することを念ずるものであります」と祝辞を述べた。
五重塔建立奉賛会会長である堀内光雄衆議院議員の祝辞を秋山章信徒総代が代読。小松総長、野間進奉賛会副会長、井上総務が鏡開きを行い、伊丹榮彰五重塔建立奉賛会実行副委員長の発声で乾杯となった。
久遠寺では十一月五日に竣工式、来年五月十三日から十七日の五日間にわたり盛大な落慶式を予定している。

illust-hitokuchi

side-niceshot-ttl

写真 2023-01-13 9 02 09

新年のご挨拶。

過去の写真を見る

全国の通信記事

  • 北海道教区
  • 東北教区
  • 北陸教区
  • 北関東教区
  • 北関東教区
  • 千葉教区
  • 京浜教区
  • 山静教区
  • 中部教区
  • 近畿教区
  • 中四国教区
  • 九州教区

ご覧になりたい
教区をクリック
してください

side-report-area01 side-report-area02 side-report-area03 side-report-area04 side-report-area05 side-report-area06 side-report-area07 side-report-area08 side-report-area09 side-report-area10 side-report-area11_off side-report-area12
ひとくち説法
論説
鬼面仏心
購読案内

信行品揃ってます!

日蓮宗新聞社の
ウェブショップ

ウェブショップ
">天野喜孝作 法華経画 グッズショップ
">取扱品目録
日蓮宗のお店のご案内
">電子版日蓮宗新聞試読のご登録
">電子版日蓮宗新聞のご登録
日蓮宗新聞・教誌「正法」電子書籍 試読・購入はこちら

書籍の取り扱い

前へ 次へ
  • 名句で読む「立正安国論」

    中尾堯著
    日蓮宗新聞社
    定価 1,365円

  • 日蓮聖人―その生涯と教え―

    日蓮宗新聞社編
    日蓮宗新聞社
    定価 826円+税

書評
正法
side-bnr07
side-bnr07