2007年6月1日号
本山妙興寺貫首に小沢涌文師
千葉市若葉区の本山妙興寺貫首に小沢涌文師(同区栄久寺前住職)が就任し、5月16日、東京・大田区の日蓮宗宗務院で辞令交付式が行われた。
小松浄慎宗務総長から辞令を手渡された小沢新貫首は「この本山妙興寺732年の法灯を受け継ぎ、大きな責務を背負ったと痛感しております。歳も若く、浅学菲才ではございますが、皆さま方からご指導ご鞭撻を頂戴し、全力で法灯をお護りしていく所存です」と抱負を語った。
妙興寺は宗祖の檀越である曽谷入道教信の子・曽谷四郎左衛門直秀が出家して、道崇と号し、建治元年(1275)現境内の南方、鹿島支流を隔てた加納ヶ丘の地に法華の道場を開いたことにはじまる。
慶長元年(1596)僧侶の教育機関として寺内に開設された「野呂檀林」は当時として稀れに見る大講堂を有し、寛文元年(1661)には碩学・安国院日講上人が『法華玄義』『法華文句』を講ずると全国から学徒が集まり隆盛をきわめた。
寺の周囲には老杉がうっそうと茂り、その中に檀林時代に松平安芸守の建立寄進になる一切経堂を改築した子安堂が現存している。
小沢新貫首は昭和59年から平成2年にわたり宗務院に勤務。同9年栄久寺に入寺した。