2006年8月20日号
共同生活通じ信仰の大切さ学ぶ
平成18年度国際青少年リーダー研修
四海帰妙の祖願達成のため世界で活動する日蓮宗信徒青少年リーダーが一堂に会す平成18年度国際青少年リーダー研修(日蓮宗宗務院伝道部主催)が7月24日から28日に開催され、韓国11人、ハワイ1人、ブラジル1人の男女13人(15歳~35歳)が参加。これは共同生活を通じて信仰の大切さを学ぶと共に国際感覚を身につけ、次代の宗門を支える信徒青少年リーダーを育成することが目的。今年は総本山身延山久遠寺や新潟県佐渡市の本山、東京池上を巡りながら、講義や法座を行い研鑽と信仰を深めた。
7月24日、身延山研修道場で開講式。主任講師の田端義宏師(青森県永昌寺住職)を導師に法味を言上した後、身延山久遠寺の諸堂を参拝。はじめて身延山を訪れる人が多く、山門の大きさに感激し、菩提梯に驚嘆、汗だくになりながらも全員が登り切った。祖師堂でご開帳を受けた後、思親閣を参拝した。
夕食後は御廟所の常唱殿で30分間の唱題行。静寂の中、一心に唱えるお題目が響き渡り、感激し涙を流す人もいた。
翌日は佐渡へ移動。宿泊先の佐渡市妙満寺(竹中智英住職)では、本山根本寺の竹中錬浄貫首が「日蓮聖人は佐渡流罪の時に法華経弘通の使命があると自覚し、宗教的転換期を迎えた。佐渡は聖人が生まれ変わった場所」と法話を行った。
3日目は中山観能師(石川県宝泉寺住職)が講義。「日蓮聖人の生き方に学ぶ」と題し、「経一麿(後の日像上人)は日蓮聖人が京都弘通を託した気持ちを受け、一心に布教を行った。皆さんも各地での経一麿になって欲しい」と話した。
午後は本山妙照寺、本山妙宣寺、本山根本寺を参拝。各寺で寺歴を聴聞し、聖人の足跡を肌で感じ感動した様子だった。
夕食後は中山師を進行役に法座が開かれ、「日蓮聖人、法華経の教えをもっと知りたくて来た」「この体験を通し、自分自身の中でなにかが変わった気がする」と参加者の声。中には「日蓮宗は日蓮聖人を大きく扱いすぎではないか」との指摘もあり、スタッフからは「日蓮宗は久遠実成のお釈迦さまを本仏とし、聖人を本仏としない。しかし聖人の上行菩薩としての自覚を通し、私たちは法華経に出会うことができた。そして私たちは日蓮聖人が大好きなんです」との返答が出された。
4日目は東京池上へ移動し大本山池上本門寺、本山大坊本行寺を参拝した。夕食後、池上本門寺本殿で唱題行。田端師が「いろんな人の思いと力添えがあって今ここにいます。この時を大切にし、感謝のお題目を唱えましょう」と話すと多くの参加者が涙。最後に地涌の菩薩の証として数珠が手渡された。
最終日は宗務院で講義「研修の終わりに」。田端師は「人間には弱い心があり、欲によってすぐに曲がってしまう。お題目でその心をしっかりと支え、それぞれが地涌の菩薩として社会の中で太陽のように明るく、蓮華のように浄く生きて下さい。それが日蓮宗を信仰する私たちの生き方です」と研修を締めくくった。
閉講式では修了証が手渡され、参加者を代表し韓国の閔喩美さんが「仏さまの教えとそれを説いて下さった日蓮聖人の素晴らしい教えを、自分を高める教えとしてこれからも学んでいきたい」と挨拶し、終了した。