日蓮宗新聞

2006年3月10日号

「妙顯寺の古文書」特別公開始まる

 京都市の大本山妙顯寺(南條日慈貫首)に伝わる貴重な古文書群の第一次修理が13年の歳月をかけて終了したことを受け、修理完成記念の特集陳列「妙顯寺の文書」が3月1日から京都国立博物館で始まった。会期は4月2日まで。

妙顯寺は、日蓮聖人の高弟で京都弘通を初めて行った日像上人(1269~1342)が後醍醐天皇の勅許を得て創建した名刹で、その長い伝統を物語る古文書・聖教・絵画の数々が伝来している。
妙顯寺所蔵の古文書群1656点は平成4年に重要文化財指定を受け、今回の第一次修理で巻物六十巻(うち文書259通)・掛け軸23幅の修理が終了した。
 修理作業は博物館内の工房で専門業者により綿密に進められ、本紙の修理はもちろん、表具も見事に仕上がり面目を一新。
今回の展示は、その成果を一般公開することを目的として1ヵ月間だけ特別に催される。
展覧会開催に先立ち、2月28日に博物館講堂で行われた記者発表では、中尾堯立正大学名誉教授や博物館学芸員からの説明があり、妙顯寺の南條貫首は「妙顯寺展を開いて下さいました所管の皆さまに深く感謝申し上げます。この機会に一人でも多くの方に博物館を訪れていただき、貴重な古文書と見事な修理の成果をご覧戴きたく思います」と挨拶した。
今回の展示では「蜀錦の曼荼羅」といわれる建治元年(1275)の日蓮聖人筆曼荼羅本尊を皮切りに、日朗上人・日像上人をはじめとする先師書状、有名な後醍醐天皇綸旨など、これまでほとんど公開されたことのない35点の宝物が並ぶ。
中尾教授によると、妙顯寺の古文書は、宗門史はもちろん京都全体の歴史の一端を物語る貴重な資料。特に天文5年(1536)に、比叡山により京都日蓮教団が徹底的に破却された「天文法華の乱」が起こった時、妙顯寺の僧たちは、寺院の権威を現すこれらの文書を優先的に持って堺に避難した光景が想像できるという。
学術的にも貴重な妙顯寺の古文書は研究者からの注目も高く、保存修理の重要性を周知させる上でも意義深い特別展になりそうだ。

京都国立博物館
京都市東山区茶屋町527 交通 JR京都駅から市バス100・206・208号系統にて博物館・三十三間堂前下車、徒歩1分 /京阪電車七条駅下車、東へ徒歩7分

妙顯寺へも参拝を
妙顯寺では博物館の特別展に合わせて、寺内の宝物館でも特別公開を行う予定。日蓮聖人が経一丸(日像上人)に授与した「玄旨本尊」。日蓮聖人と日朗上人・日像上人のご真筆曼荼羅を合わせた「三幅対のご本尊」など、門外不出の霊宝を展示する。博物館拝観に合わせて、ぜひ妙顯寺へも足を伸ばしたい。
【公開期間】3月13日~4月30日
詳細は妙顯寺 TEL075-414-0808へ。

大本山妙顯寺
京都市上京区寺之内通新町西入妙顕寺前町514 交通 JR京都駅→市バス⑨番西賀茂行で堀川寺の内下車→東へ200m

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