2005年8月20日号
終戦60周年 節目の法要 平和への誓い新たに
終戦60年を迎えた8月15日、戦没者の追悼式典が全国各地で行われた。
日蓮宗(岩間湛正宗務総長)では、東京・千代田区の千鳥ヶ淵戦没者墓苑で「戦没者追善供養並びに立正平和祈願法要」を厳修。僧侶檀信徒約500人が参列し、戦争で尊い命を落とした犠牲者の冥福を祈ると共に、世界平和への誓いを新たにした。
昭和34年に同墓苑が建立されて以来、日蓮宗では毎年この法要を営んで、今年で46回目を迎えた。
午前9時、東京四管区青年会の唱題隊を先頭に式衆、導師が入堂。佐野詮学東京北部宗務所長が導師を、草ヶ谷秀人東京東部宗務所長・太田順道東京西部宗務所長・石井隆康東京南部宗務所長が副導師を、罍慈鴻東京南部修法師会長が修法導師を務め、式宗に東京四管区の声明師会、修法師会、青年会員が出仕して法要が営まれた。
ご遺骨が納められている陶棺を安置する六角堂内に曼荼羅ご本尊が掲げられ、佐野所長が世界平和を目指す祈願文を読み上げた後、参列者全員がお題目を唱え、焼香に立った。蝉しぐれの中に力強い唱題の声が響き、一人ひとりがそれぞれに平和への祈りを捧げた。
法要後、財団法人千鳥ヶ淵戦没者墓苑奉仕会の宮崎忠雄理事長が挨拶。「奉仕のともしびを広げ、次の世代に伝承したい」と述べた。続いて岩間宗務総長名代・遠藤文祥宗務総長室長が日蓮宗を代表して平和に向けた祈願文を読み上げ、立正安国の顕現に邁進することを誓った(別記)。
千鳥ヶ淵戦没者墓苑には、海外で戦死し、身元不明で遺族に引き渡すことのできないご遺骨が納められている。戦後60年を経た今年も、新たに発見された300柱が納骨され、現在35万926柱の御霊が眠っている。