2005年4月20日号
「立正たちばなホーム」開設5周年
埼玉県熊谷市西部の立正大学熊谷キャンパスに隣接する特別養護老人ホーム「立正たちばなホーム」(北尾義昭理事長・千葉県安興寺住職)が平成12年の開設から五周年を迎えた。立正大学学園を母体として建学の精神を中心理念に、利用者個々人の人間的尊厳を尊重する同ホームには、常時100人以上の入所希望者が待機している。3月13日、5周年記念祝賀会が同ホームで行われ、さらなる前進に向け手をとり合った。
社会福祉法人立正橘福祉会が運営にあたる立正たちばなホームは、木々の緑に囲まれた閑静な環境に位置し、敷地9766平方m。平屋造りの建物は広い空間と採光に工夫がされている。
「個々人が尊重される生活の場」「自立を目指す支援の場」「やすらぎと尊厳を失うことなく人生をまっとうできる場」の創造を運営方針に、同ホームでは、特養老人ホーム・ショートステイ・デイサービスに加え、居宅支援事業所・在宅介護支援センターを展開。入居利用者50床、短期利用者10床は常に満員で、日々25、6人がデイサービスを受けている。
現在、入居者の平均年齢は87・3歳。同ホームではお誕生日会、彼岸・お盆法要など行事を多く取り入れており、利用者がベッドに寝ていることは少ない。寝たきりの利用者は、ベッドごとみんなが集まる広間に移動し、同じ空間を共有している。また設立母体である立正大学社会福祉学部の学生による実習、大学のサークルや宗立熊谷学寮の寮生によるボランティア、地元の小学・中学・高校生が遊技や歌を披露するなど学部との交流も深く、学生や児童・生徒にとっても尊いいのちのつながりを感じる生きた学習の場となっている。
13日の祝賀会には、渡邉一之立正大学学園理事長、高村弘毅立正大学学長、富岡清熊谷市長など来賓・関係者・入所者・家族の会・地元住民約250人が出席。北尾理事長は挨拶の中で「介護の第一歩は尊敬の念を持つこと」とし、介護をさせていただいているという感謝と尊敬の念で接することを職員一同心がけていることを強調。今後も「立正大学の英知と技術を活用して、たちばなホームにしかない介護のノウハウを作り上げていきたい」「施設を市民に開放し、地域の方々と交流を深めながら還元していきたい」と語った。
5周年にあわせて中庭が整備され、車いすで散歩が楽しめるように遊歩道が完成。また、花壇やあずまや、桜の木が寄進によって設置された。式典中、遊歩道を寄進した東京西部社会教化事業協会、あずまやを寄進した家族会「たちばな会」、またボランティアに尽力したJA吉岡婦人部、鯨井隆治さんに感謝状が贈呈された。