2005年4月1日号
横浜市に日蓮宗寺院「蓮馨寺」
神奈川県横浜市に新しく日蓮宗寺院「蓮馨寺」が設立され、3月15日、東京大田区の日蓮宗宗務院で辻本学真住職に辞令伝達が行われた。
蓮馨寺建立を発願したのは、辻本師が昭和35年から随身していた横浜市妙香寺(宇都宮恵頌住職)の先代・宇都宮恵行上人。法華経流布に篤かった恵行上人が“新たな法城の建立を”と昭和52年、妙香寺の霊園隣接地に本堂用地を購入し、民家を改築して妙香寺別院を建立した。
別院運営と檀家約百件を託された辻本師は、法要や葬儀などあらゆる所に足を運んで法話を行い、布教活動に専念。新寺建立を目指して飲酒と喫煙を断ち、節約を続けた。都市部ならではの問題も多かったが真摯に働きかけ、少しずつ寺領を拡大した。平成8年には別院を蓮馨結社にし、教導に就任。毎月の信行会には50人以上が参加するようになり、檀信徒も300人を超えた。
平成10年、恵行上人遷化という悲しみに見舞われたものの、辻本師は恵行上人の悲願を成し遂げようと、妙香寺や妙香寺総代とともに法人格取得に向け一層力を入れた。今回、恵行上人を開基に発願から約30年をかけ無事円成。辻本師は、ともに歩んだ妙香寺の責任役員や蓮馨寺の檀徒と手を取りあって喜びを分かち合った。
15日の辞令伝達では岩間湛正宗務総長が設立認証書と住職承認辞令を辻本師に手渡し、「横浜という都会で長年足元を固めてきたとは思いますが、これからがまた新たな一歩です」と激励。同時に常任布教師の任命を受けた辻本師は「この日を恵行上人が一番喜んでくれていると思います。布教の拠点を与えて下さったからこそ今日がある。妙香寺のご住職や総代、檀信徒の皆さま、母や妻の支えがありました。その恩に報いるため今後も都市部での布教伝道・次世代の教化に精進していきたい」と語った。