オピニオン
2025年10月1日
虫 の 声
鳴く虫は、35℃以上だったり、15℃以下になると鳴かなくなるとされています。温度が高い時は鳴き声のテンポが速く、気温が低い時はスローテンポになるそうです。
古来、日本には「虫の音」を風流だと感じる文化があり、日本人の暮らしと切っても切れない関係にありました。日本人は虫の鳴き声を「声」として認識しているといわれています。自然の音を言葉として認識していることから、日本人にとって虫は音ではなく声を出しているように聞こえるそうで、自然の声を聞くことができるのは、日本人独自のアイデンティティーというわけです。
「一寸の虫にも五分の魂」ということわざがあります。仏教では、生きとし生けるものすべてにいのちの尊さがあると説かれています。すべてに八百万の神が宿っていると信じ、自然と共鳴する「アミニズム文化」、森羅万象を尊ぶ自然共生の精神が根付いているからなのでしょう。
(大阪市布教師会長・松井英行)




















