オピニオン
2022年10月1日
親の恩
日蓮聖人は「父母の恩のおもき事は大海のごとし」(『上野殿御返事』)といわれています。このお言葉は、親として生きている者が考えなければいけない大切なことを含んでいます。それは親が、自分の子や孫に対して恩を感じてもらえるような行動をしなければならないということです。昨今、幼子をほったらかしにして遊び惚ける親の保護責任者遺棄の行動が多く報じられます。これでは子や孫が大きくなった時、親の恩を感じることなどないでしょう。私の親は食べ物を大切にすることを厳しく教えてくれました。食べ物を粗末にする人はいつか食べ物に苦労すると、口を酸っぱくして言い続けました。私は今でもご飯を頂くとき1粒も残しません。「蔵の財よりも身の財すぐれたり。身の財より心の財第一なり」(『崇峻天皇御書』)と日蓮聖人はお教えです。子や孫に人生の生き方となる心の宝を教えることが、親の恩を感じてもらえる行動ではないでしょうか。
(滋賀県布教師会長・福島謙應)
