オピニオン
2018年6月1日
我深く汝等を敬う
6月1日は、真珠の日。真珠の生みの親である御木本幸吉さんが、「私が愛蔵している光琳の屏風をご覧になりませんか」と、客人を家に招いては、眼下に広がる鳥羽湾の景色を自慢したといいます。御木本幸吉さんの名言からは、すべての人を幸せにしたいという強い志が感じられます。
常不軽菩薩は「我深く汝等を敬う」といって、人びとを礼拝し、修行することによって仏になれるという自覚を示されました。宗祖は、但行礼拝の修行とお題目の心は同じであるとされ、常不軽菩薩の生き方をお手本とされたのです。常不軽菩薩品のお経の中には「仏の滅後、法華経を心に信じ身に持ち、これを読誦し、人に向かって説き、これを書写して、法華経を世の中に弘めるよう力を尽くせ」と私たちにお説きくださっておられます。
私たちは、受持・読・誦・解説・書写の修行を行い、真珠のような一点の曇りもない仏さまの世の中の実現に向けて努力しなければなりません。
(奈良県布教師会長・岡田法顯)