オピニオン
2015年6月1日
逆境の中で
長い人生に楽しみも苦しみも連れ立ってきます。失業、人間関係、病気、死。苦しみの中で死は大きいことで、老若によらず突然に来ます。愛する人との別れの悲しみは広くそして深い。私も1年の間に、妻も含め近親者が5人亡くなり、今、思い切り落ち込んでいます。
『四条金吾殿御返事』に「苦をば苦とさとり、楽をば楽とひらき、苦楽ともに思い合はせて」とあります。順境も逆境も縁を受け止め、平常心を持って日常の行いをしなさいとの、教えです。順逆の縁は、自分の力では動かしがたく、人それぞれに順逆の歴史があります。
逆境は避けられないもの。ならば、そこに意味を見出しより良く対応する。逆境とは苦しい時です。我慢の時です。時には時間が心の傷を癒す薬です。現在あることは大切な人のお蔭と感謝をする。明けない夜はないと、逆境を好機と捉え、苦楽に一喜一憂せずに、成長していきたいものです。
(千葉県北部布教師会長・加藤雅章)