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2015年12月27日号

大阪和泉 本山妙國寺で佛心殿開堂式

和泉170112③【大阪和泉】堺市本山妙國寺(岡部日聡貫首)で、講堂『佛心殿』開堂式が12月27日に営まれ、この度、権大僧正に叙された岡部貫首導師のもと法縁寺院が出仕、佐野一秀宗務所長以下管内役職員が参列した。
岡部貫首は平成14年晋山以来、「開かれた本山」を目指し、一般参詣者・管内寺院等に広く妙國寺を開放、本山としての威容と参詣しやすさを兼ね備えた寺観・墓域等の整備を進め、また地元の観光ボランティアガイドを常駐させつつコンサート・庭園ライトアップ・除夜の鐘つき等、衆目を集めるイベントを次々に企画し、同寺を地域の中心的スポットとする様々な取り組みを行ってきた。
開堂日は開山佛心院日珖上人の命日を選び、建物正面にその名由来の『佛心殿』の扁額を掲げ、建物内には百名弱の法要・講義・研修等多目的に使用できる講堂、かつて寺域に存在した塔頭寺院『栴妙院』『舜如院』の名を復活させた2つの祠堂、納骨堂、控室等を備え、建物外には大檀越三好実休の故郷に因む阿波石を用いた蘇鉄枯山水の庭を新たに構えた。
管内ではこれまで宗務所長が交代するたびに宗務所が移動することが宗務運営・布教等の観点から長らく懸念事項であったが、今回の造営を機に佐野宗務所長が管内寺院の意見を取りまとめ、今回『佛心殿』内に『日蓮宗大阪府和泉宗務所』事務所が常設されることとなった。岡部貫首の取り組みにより地域内外から多くの観光客が足を運ぶようになった本山敷地内に常設される宗務所事務所には、平成33年の宗祖御降誕800年に向けた様々な活用が期待、検討されている。
暮れも押し迫った開堂当日は、墓参者・観光客が絶え間なく境内を訪れ、「開かれた本山」に新しく加わった伽藍を見上げ手を合わせていた。

2015年12月20日号

大本山池上本門寺第83世菅野日彰師晋山式

菅野さん①東京都大田区大本山池上本門寺で12月2日、第82世酒井日慈師から第83世菅野日彰師への法灯継承式が営まれた。式に先立ち行われた行列には菅野新貫首が寮監として務めていた宗立谷中学寮の卒寮生258人が祝いに駆けつけ、檀信徒含む約350人が参加。約150㍍の大行列が池上の街にお題目を轟かせた。

行脚後、菅野新貫首は大堂(祖師堂)前で大勢の僧侶檀信徒の前で「師匠からの教え〝僧侶は掃除とお経と布教〟を続け、みなさまに支えられたことで本日を迎えることができました」と謝意を表した。
祖師堂内での式には、約650人が参列した。酒井前貫首は退隠奉告文で檀信徒や法類会などの外護を受け、池上本門寺での数々の事業を円成したことへの感謝を述べるとともに、菅野新貫首による興隆を期待した。『霊宝目録』と平安時代の法華経写経を酒井前貫首から相承された菅野新貫首は晋山奉告文を 述べ、「宗門布教の根本道場の伝統を守り、若き僧侶を育成し、仏祖の厚恩に報じ奉る」と誓った。
菅野さん② また全国檀信徒協議会長の池上幸保筆頭総代は祝辞で、酒井前貫首の教化に感謝を示すとともに、菅野新貫首の僧風教育の実績から「檀信徒にとって菅野貫首から指導を受けることはこの上ない喜び」と涙を流した。
祝宴では総本山身延山久遠寺の内野日総法主猊下が「池上本門寺の檀信徒との絆をすでに深められていると知りました。お題目の信仰で、身延山と池上の法華経檀信徒との架け橋となられることを」と期待された。最後には、学寮卒寮生が菅野新貫首の晋山を祝福し、立正大学校歌と学寮歌を披露。菅野新貫首を「先生」と慕いながら感謝を表した。
酒井前貫首は平成12年に晋山。立教開宗750年の節目には五重塔を全解体しての改修、霊宝殿の建設など数々の事業を行った。さらに『池上』誌の発行、また18年から4年間、日蓮宗管長を務めるなど布教伝道に尽力してきた。
菅野新貫首は昭和12年北海道生まれ。東京経王教会担任、同浄延院住職、静岡県本山海長寺貫首を務めたほか、日蓮宗立谷中学寮寮監や総本山身延山久遠寺の布教部長を歴任した。

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安保関連法案成立、原発一部再稼働~転機に立つ日本~

平成27年も間もなく終わろうとしている。今年は、日本が新たな方向に舵を切った年であった。
集団的自衛権の行使を認める安保関連法案が、9月に国会で成立した。
この法案は、多くの憲法学者から違憲との指摘を受け、反対運動も激しく国会も混乱した。
従来、日本政府は自衛隊の海外での武力行使は認めず、「専守防衛」の方向を取ってきた。しかし、中東問題・中国の海洋進出など緊迫した状況の中で、集団的自衛権が行使できることに方向を転換したのである。
武力行使については、日本の存立が脅かされて、他に手段がない場合に限り必要最小限行使できる、との限定がある。「存立の危機」とはどういう状況を言うのか、曖昧さが残る法案であり、今後戦争に巻き込まれないよう厳しく国民が監視する必要があろう。
8月、九州電力川内 原発1号機が再稼働を始めた。これを機に他の電力会社も、再稼働のための動きを見せている。
福島第1発電所を初めとして、停止している日本の原発は50を超える。世界をみると、ドイツではメルケル政権のもと、脱原発に踏み切ったという。
日本の原子力発電所は、都市から離れた村部にあり、電力会社はその地域に資金援助を与え、地域振興を助けている。更に、人々に働く場を提供している。そのため関係自治体は、原子炉再稼働に賛成することになるようだ。
放射能汚染物質の最終処理場が決定しない中で、増え続ける汚染物質を今後どうするのか。運転を中止し、撤去するにしても、莫大な費用がかかる。地球温暖化の問題を解決しながら、増大するエネルギー消費に対応する方法があるのか、先が全く見えない。我々は底なし沼に踏み込んでいるのではないか。
10月、環太平洋経済連携協定(TPP)が大筋合意にたどり着いた。環太平洋12ヵ国が、関税を撤廃し、ものやサービスの流通が活発な新経済圏を作ろうとしたのである。
関税の順次撤廃をはかることばかりでなく、金融・投資・環境に関する新しいルール作りも目的であるという。日本は米・麦・牛・豚・乳製品・砂糖の5品目を守り、農業が打撃を受けないよう交渉を進めてきた。
しかし、いずれ日本の農業・牧畜業などは、老齢化による農業人口の減少等もあって、米国・豪州の安い農産物・畜産品に押される大きな影響が出ることは必至であろう。
9月の末、ドイツのフォルクスワーゲンのディーゼル車が、米国環境保護局から、排ガス規制を不正にクリアしていると指摘された。。排ガス浄化性能を、試験の時だけ基準値を満たし、実走すると規制値を大幅に超えてしまうことが分かったのである。企業ぐるみの不正は、世界に衝撃をあたえた。
国内では、旭化成建材と親会社旭化成が、建築の基礎固定のために打ち込む杭のデータを、偽装していたことがわかった。固い地盤まで打ち込み、上の建物の重量を支えなければならない杭の長さが足りず、ビルが傾く結果になったのである。これをきっかけに、他社の偽装も明らかになった。
これは現場責任者個人の問題ではなく、会社ぐるみ、企業ぐるみの責任問題であると批判された。企業倫理が問われる不祥事が続いた。
11月、シリアの内戦をきっかけに、IS(イスラム国)が台頭、パリの同時多発テロ事件が起こり、市民が多数命を落とした。
フランスがISの支配地域を爆撃したことに対する報復としてのテロ事件であった。事件後、オランド首相は非常事態宣言を発令、軍や警察を多数動員して、テロ組織の捜索や、再発防止に当たっている。
混迷を極める世にあって、日蓮宗では安穏な社会づくりを目指す宗門運動「立正安国・お題目結縁運動」を展開中である。法華経弘通による仏国土顕現を我が使命と肝に銘じ、来る新年を迎えたいものである。
(論説委員・丸茂湛祥)

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新年のご挨拶。

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    中尾堯著
    日蓮宗新聞社
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  • 日蓮聖人―その生涯と教え―

    日蓮宗新聞社編
    日蓮宗新聞社
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