2013年12月20日
平成25年を振り返って
平成25年も押し迫り、あと十日余りとなった。近隣の人々が関心を寄せた話題をいくつか拾ってみよう。
■猛暑・極端気象現象
今年は、地球の温暖化が原因と思われる極端な気象現象がいくつか見られた。
猛暑で熱中症の患者が多く出て、老人には大変な夏が続いた。秋が短く、長い夏の後いきなり冬が来た。
豪雨により家屋が浸水したり、地滑りが多発した。ことに大島の地滑りは大規模で、広範囲に亘って、家屋や人的被害が出た。島民の一部が三宅島の火山噴火の時のように、船で避難した。
フィリピンでは巨大台風が、風速90㍍の烈風と、高波を合わせて、大被害を与えた。根こそぎ吹き飛ばされ、木片と化した家々、救助が無く餓える人々、略奪・強奪が頻々と起こる極限状況が報道された。今後このような巨大台風が日本にも上陸する可能性があるとのことで心配である。
■オリンピック東京開催決定
IOC総会で、56年ぶりに、オリンピックが東京で2020年開催されることに決まった。今回は、東京が積極的にアピールしただけに喜びも<RUBY CHAR=”一”,”ひと”><RUBY CHAR=”入”,”しお”>であった。
候補として名乗り出たのが、マドリードとイスタンブールであった。第1回の投票で、マドリードは落ち、東京とイスタンブールで決選投票をやった。イスタンブールでは、デモが頻発していたためか、東京の60票に比べて、35票と、遙かに及ばなかった。
経済界では、東京でオリンピックが開催されれば、古い社会的インフラが更新されたり、都心に新たな公共投資がされたりする。海外から訪れる人も増加するであろう。大きな経済的効果が期待できる。
■富士山世界文化遺産登録なる
富士山が、文化遺産に登録された。初めは自然遺産に登録を試みたが、かなわなかった。 今回は、文化遺産登録で、三保の松原をも含めての登録となった。文学・絵画・信仰等の対象として、大きな役割を果たしてきた富士山の価値が認められたのである。
■特定秘密保護法衆議院通過
政府与党が参議院で成立を急いでいる法案である。
いちばんの問題は、政権が特定の秘密を恣意的に指定できる点で、自衛隊や軍備のこと、原子力のことなどが秘密のベールに隠されてしまう可能性がある。情報公開は民主主義のいちばん基本的な部分である。この法案が成立すると、言論の自由、表現の自由が犯される可能性がある。
この法案は、戦前の言論統制に繋がった治安維持法のような法令になる可能性があるところが危惧されるのである。
■偽装表示多発
有名デパート・レストラン・料亭などの、料理に使う食材に多くの偽装表示があることが、指摘された。人々の信頼を裏切る仕業で、人々の老舗不信をあおり立てた。食品業者は、これを機会に食品表示の総点検をして欲しいものである。
来年は午年、低迷から抜け出す年になって欲しい。皆様のご多幸をお祈りいたします。
(論説委員・丸茂湛祥)
