オピニオン

2019年5月1日

心の内は立正元年

イチロー選手の引退から新元号の発表、天皇皇后両陛下のご成婚60周年、ご即位30周年、ご譲位と平成最後の春は散る桜のように惜しまれながら瞬く間に過ぎ去りました。
本稿の元日号の寄稿で、今年の改元は日蓮聖人の願行を掲げ、「立正」にと呼びかけましたが、有難いことにこの「令和」の最初の稿も担当することになり、改めて襟を正し、元日号で述べた通り、新しい令和は足下の生活の見直しから始めようということを再考したいと思います。
この「令和」の時代は日本にとって重大な局面を迎えることになるはずです。少子高齢化の波は止まらず、地方の疲弊は急速に進み、政治や教育の劣化は目を覆うばかりです。通信機器や情報、人工知能の発達は私たちの生活を一変させ、それに伴う国民の稚拙化は深まるばかりです。外に目を向けると、各国の独断は強まり、近隣諸国との関係も悪化の一途を辿っています。経済復興や政治改革、善隣外交、憲法改正など大きな政策は語られるものの、私たち国民1人ひとりが何を考え、どう生きていけばいいのかは議論にも上がりません。教育や福祉の向上を計り…と、ずっと言ってきたのに、国情はこの通りです。これからの未来が過去の評価を決めるように、この令和をどう生きるかで、平成の時代の評価が決まります。昭和や平成が良き時代と将来の日本人に称されるように、私たちは真剣に「生き方改革」に取り組まなければなりません。
途絶えることなく126代続く天皇の存在と、1400年を重ねる元号は、脈々と続く私たちの血脈の連続性を示し、限りある個々の人生も、その中で生き続けていくという、日本固有の神道的価値観のよりどころになっています。これは法華経の久遠の生命、娑婆即寂光の思想と重なり、子孫や民族の永世を願うことに繋がっていくのです。『報恩抄』の「花は根に返り真味は土に留まる」の日蓮聖人の言霊の中には、今日の祖国と国民を築いてきた先祖や歴史や文化がこの花の根であり、その真味を知らずしては花も咲かず、実も結ばないということの意もあるのです。であれば、私たちは母なる大地にこの根をしっかりと張り巡らせ、父なる天空に枝葉を広げていかなければ宗祖の願行には添えません。だからこそ、賢者として過去の歴史に学び、信者として自身の将来に子々孫々の幸せを願う希望を持って日々精進していかねばなりません。より具体的に考えれば、まず現在の核家族の形態を改め、時代錯誤といわれても、少々の我慢をしながら、過去の寄り合い所帯の家族(曾祖父母から孫、曾孫まで)を取り戻すことが大切だと思うのです。この大家族の中で、人は否応なしに生きる知恵を学んできたのですから。昔はどこの家にも家族全員で写った写真があり、子どもはこれを見つけては自分の存在感や立場を確認したものです。貧しかったが故に、家族皆で肩を寄せ合って生きていくしかなかった半世紀前までの生活が現在の国家国民を作ってきたのです。豊かになって家族を捨てた日本人の末路が現況であり、このまま国土が崩壊していくのを私たちは座視することができないはずです。この春からのNHK朝の連続テレビドラマでもこの家族や夢がテーマに取り上げられています。「令和」の令はもともと跪いて神意を聴く人の形だそうです。新元号に因み神意を跪いて謙虚に受け止め、外には「令和元年」、内には「立正元年」の覚悟を持って、先ず自分と家族を仏意に従って変革し、妙法の蘇生の義を貫ぬく生き方に舵を切ろうではありませんか。
(論説委員・岩永泰賢)

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今年の1月13日の御年頭会の日も晴天にめぐまれました。

日蓮聖人の新年初の月命日はいつも晴れます。

みなさま今年もお元気でがんばっていきましょう!

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