ひとくち説法

2024年12月1日号

老いも価値

今年で4回目の年男を迎えた。男性の平均寿命を考えると、残りの人生の方が今までの人生より短いことに気づき、「もう48歳か」としみじみ思った。
元メジャーリーガーのイチローさんがテレビに出演していた。その番組はイチローさんが子どもたちに授業をする内容だった。そのなかでイチローさんは「イチローです。まだ51歳です」と自己紹介をし、これからの人生の展望を語っていた。生きていれば誰もが年を重ねる。私は老いを苦しみと捉えていたが、イチローさんは老いに囚われず、それさえ楽しんでいるように感じた。
日蓮聖人は法華経の修行には2種類あり、善い行いをして徳を積む修行と、煩悩や苦しみから価値を見出す修行があると説かれている。私は老いにも価値を見出し楽しむイチローさんに、法華経の修行の姿があると思った。私も老いという苦しみから価値を見出せるよう精進していきたい。
(長野県布教師会長・伊神玄記)

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2024年11月20日号

『開目抄』要文日訓

日蓮聖人が「一期の大事」と示された『開目抄』を拝読して下さった人は、どのくらいいらっしゃるでしょうか?
『開目抄』はご遺文中最長で、引用文も多く、堅い物質に螺旋で穴を開けていくような文章です。よって難解で読み進めるのが難しいと感じてしまうご遺文です。
しかし、日蓮聖人の文体に慣れてしまえば難読ではありません。
それでは、どのようにご遺文に慣れていけば良いのか? それは「読書百遍意自ずから通ず」のとおりです。繰り返し拝読するしかありません。
今、全国布教師会連合会では「『開目抄』要文日訓」を発刊しました。どうか皆さん手に取り音読して頂きたく思います。ご遺文は日蓮聖人の信仰が文字として現れたものです。それを音読することは、日蓮聖人の声を今に蘇らせることだからです。(問い合わせは日蓮宗新聞社まで)

(全国布教師会連合会長・村田龍学)

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2024年11月1日号

ありがとうは有り難う

客がお店の人に暴言を吐いたり嫌がらせをすることを「カスタマーハラスメント」といって、社会問題になっています。
ある先生が小学3年生の生徒に「ありがとうはどんなときに言いますか」と質問しました。生徒は「お店で物を買ったとき」と答えました。皆は驚きました。ありがとうを言うのはお店の人のほうだと思ったからです。先生が「どうして?」と尋ねると、生徒は「お店の人が売ってくれなければ僕は買うことができないから」と答えました。
私たちの周りには、有って当たり前と思っているものが多く存在しています。お店、学校、病院、公共施設、そのほかもろもろ。店が有るから買い物ができますし、病院が有るから病気やけがを治してもらえます。有って当たり前ではなく、たくさんの人の努力や手間、優しさや人情によって支えられており、その状況に有ることは実は極めて「有り難い」ことだと認識したいものです。(静岡県中部布教師会長・山田泰裕)

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新年のご挨拶。

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