ひとくち説法
2020年2月20日号
生きる悦び
今年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。選手の活躍によって世界中の人びとが一喜一憂し、感動をもたらすことでしょう。また最近の世界的な異常気象や感染症などを考えるとその影響も心配されます。このように喜びと不安の中で生きている私たちは、お祖師さまから法華経の信仰を学んでいます。
ある年配の女性が病気で身体が痛く動くのも辛く、もう生きているのが嫌になっていた時、お祖師さまの「一日の命は三千界の財にもすぎて候なり~一日もいきてをはせば功徳つもるべし」の御妙判を見て感動し生きる勇気と喜びをいただきました。私たちはお祖師さまから法華経の信仰を学び、お寺に参拝する喜び、御本尊を拜する喜び、お題目を唱える喜び、お経を読誦する喜び、亡き聖霊を供養する喜びなど人生で多くの生きる喜びを得ています。その喜びは法華経の信仰を持ち続ければいつでも、どこでも得ることができます。
(石川1部布教師会長 ・伊藤寛仁)
2020年2月10日号
先祖供養を怠れば…
日本では昔から「節目」ごとにさまざまな季節の行事が行われてきた。春が来れば花見に出かけ、秋には名月を愛でる。大自然の中に生かされている自分の命に立ち返るため。単調な毎日の中で、大自然の息吹を感じる行事を作ることで、心をリフレッシュさせると共に規律を正してきた。多忙という理由から歳時記を蔑ろにしてしまいがちになる。だからこそ、お仏壇を中心とした信仰生活を意識的に執り行う必要がある。お仏壇を拝む習慣のある家は、仏さまを拝む親の姿を見て子が育ち、親を大切にする心を備えるため栄える。ご先祖さまを敬う気持ちが伝われば、ご先祖さまの霊は家族を見守って下さる。また「今日も頑張るぞ」という自分自身の戒めにもなる。感謝の気持ちがあれば、その念は故人の魂に必ず届く。この真っ直ぐな気持ちこそが家内安全、無病息災に繋がる。人生は1日1日の積み重ね。お仏壇に手を合わせ「有難うございます」と独り言。
(富山県布教師会長・谷川寛敬)
2020年2月1日号
佐渡のご霊跡へ
本年は、日蓮聖人の佐渡ご流罪から750年となります。文永8年(1271)10月28日、流罪地の佐渡島へ到着された聖人は、翌年の2月、雪中の塚原三昧堂で弟子信者に形見として『開目抄』を著されました。聖人はこの書の中で、久遠のお釈迦さまから末法の世の中に法華経・お題目を弘める任務を受けた上行菩薩として自覚に立たれ、「我れ日本の柱とならむ、我れ日本の眼目とならむ、我れ日本の大船とならむ」と、自らを日本の仏教を支える柱・正邪をわきまえる眼目・悟りの彼岸へと渡す大船とならんとする三大誓願を立てられました。
翌文永10年4月には、一谷(現妙照寺)で題目成仏と本尊を明かす『観心本尊抄』を著され、7月には正式な本尊として「大曼荼羅本尊」を顕され、佐渡島で日蓮宗の教義を確立されました。この記念すべき年に佐渡島ご霊跡参拝をご予定下さい。
(新潟県北部布教師会長・小瀬修達)